表紙はライバル校 箱根学園の3年生クライマー、“眠れる森の美形”、“森の忍者”、
そして“山神”こと東堂尽八。ある意味 巻島先輩と並んで今巻の主役です。
レース序盤に発生した落車から立ち直り、遥か前を行く自チームに合流するため怒涛の
100人抜きに挑む、主人公 坂道。それを阻むのは、第三勢力 京都伏見に
一年生ながらエースとして君臨する男、御堂筋。結果としてなんとかこれを突破する
坂道ですが、勝ったというよりは見逃してもらった、という感じ。御堂筋の見せた
実力の片鱗には、かなり不気味なものがあります。
坂道というチーム第二のクライマーの合流を受けて、一時は好敵手 東堂との対決、
決着を断念したチームメイトの巻島先輩が追撃に移行。東堂を猛追の果てに
捕捉し、ついに両者の山岳王をめぐる決戦が始まります。
この対決で、僕の中の『弱虫ペダル』は「自転車漫画の中で何番目〜」とかの枠組みを
超えました。両雄が吼え、漕いだ果てに勝敗が決したとき、青空を背景に
高く空を見上げた勝者の姿から受けたのは、本当にそこで時間が止まってしまったような
衝撃と感動。まさに、圧巻の一言。まだこんな熱くなれる漫画が残っているんだ!
と声を大にして言いたくなりました。
二人の勝負がついたのち、レースはいよいよ終盤戦へ。エースたちが集団から
飛び出し、ゴール目指して火花を散らします。初日の優勝は主人公たちの総北と
ライバルの箱学、レースの最前線を行くこの二校にしぼられた…と思いきや、
最後のページに描かれたそれを猛スピードで追う影…。またも良いとこで次巻に
続く12冊目でした。見所として、巻島VS東堂の決着はもちろん、東堂のナイスガイぶり、
意外なモテぶり、あと箱学3年荒北のキャラの掘り下げなども密かに注目ですね
(荒北良いです。応援する観客におめーががんばれボケナスが!って)。