実は『陽は、また昇る』のあと、思うところあって一連のリリースラッシュからは距離をおいていたのだが、「今度の羞恥心のシングルは、カップリングにつるのソロ曲も入るらしい」ときいてしまっては、予約せずにはいられなかった。今回はそれに加え“羞恥心、ひとまず―歌の―活動休止”という知らせもあり、そうなるとやはり、少なからず感慨はある。二十数年間くすぶっていた高原兄という才能を、陽のあたる場所へと連れ出したこと、そして今回、こうしてスパッと区切りをつけたこと。それだけをとっても、カシアス島田の才覚は評価されるべきだろう。
でもって今回は、ジャケット、ケース裏側の写真、付属DVD(約13分)に収録の、往年のアイドルたちのソノシートでのおしゃべりを彷彿とさせるトーク、そしてもちろん切ない心情を歌った楽曲そのものと、すべてにおいてアイドルを極めた、という印象。つるのもまさか30過ぎていきなりこういうことになるとは思いもしなかっただろうが、3人とも充実した1年だっただろうし、そんな年を締めくくるシングルとしては、申し分のないものといえる。
そして、冒頭でも触れた、カップリングのつるのソロ曲「何もかもが君だった」。やはり島田&高原コンビによる楽曲で、つるの本人とのマッチングにおいて少し微妙な部分もあるが、爆風スランプ「大きな玉ねぎの下で」をスケールアップさせたような感じの壮大なバラードで、聴きごたえは十分。もしもあなたが“歌うま”などでつるのの歌声に惚れ込んだのであれば、チェックしておくべき楽曲だと思う。
最後に。
説明不要の大ブレイクを果たした上地、バラエティー番組にポジションを築きつつあるつるのはさておき、個人的にはやはり野久保っちの明日が気がかりではあるが、きっと大丈夫だろう。まるで春の陽だまりのような彼のパーソナリティーは、今の日本に必要なもののひとつだと思うから。