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弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書)
 
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弱者の居場所がない社会――貧困・格差と社会的包摂 (講談社現代新書) [新書]

阿部 彩
5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

貧困と格差社会についての新しい必読書  社会的排除とは「社会から追い出されること」。社会包摂は「社会に包み込むこと」。この新しい視点なしに今後の社会保障政策は語れない。気鋭の研究者が熱く語る

内容(「BOOK」データベースより)

これらの「小さな社会」は、人が他者とつながり、お互いの存在価値を認め、そこにいるのが当然であると認められた場所である。これが「包摂されること」であり、社会に包摂されることは、衣食住やその他もろもろの生活水準の保障のためだけに大切なのではなく、包摂されること自体が人間にとって非常に重要となる。「つながり」「役割」「居場所」から考える貧困問題の新しい入門書。

登録情報

  • 新書: 224ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/12/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062881357
  • ISBN-13: 978-4062881357
  • 発売日: 2011/12/16
  • 商品の寸法: 17.7 x 11 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.7  レビューをすべて見る (11件のカスタマーレビュー)
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By 革命人士 トップ500レビュアー
前著「子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)」で貧困研究の第一人者と認識された著者が、今度はホームレスの問題を扱う。長年、ホームレス支援のボランティアをしてきた実地の経験から、エピソードも交えつつ、経済的貧困とともに、社会がホームレスを承認し、存在意義、役割、居場所を社会の中に提供する「社会的包摂」が必要なのではないかと指摘する。ホームレスは見た感じ、何もしていないように見えるが、自転車の整理やホームレス仲間の面倒を見たり、仲間内で役割や居場所を作っていることが多いことを著者は自身の経験から明らかにする。机上だけじゃなく、ホームレスと直に接して学んでいる(著者は彼らを「路上の先生」という)、というのが著者の主張に大きな説得力を与えている。

主張の骨子はウィルキンソンが指摘する「経済格差が大きい社会では、社会内に相互不信、犯罪が増大する」という仮説を日本にも当てはまることを論証する内容となっている。弱者の救済は、当人のみにメリットを与えるものではなく、社会を健全にするためのコストでもある、という論理展開だ。これは、4年前に上梓された現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)」も指摘しているが、本書は国際比較データなどを用い、より詳細に検討している。

あまり知られていない時期には、まずはホームレスの苦しい状況を紹介することに意義はあると思うが、貧困問題は既にかなり周知されつつある。それに伴い、本書のレビューでもあるようにコストがどれくらいであるのか、懸念する人も増えている。専門家である著者にはそろそろ、どのような施策が必要でいくらぐらいの予算がグロスで必要なのかを提示すべきではないか、と思った。私個人は、国民の生存権は国家の役割としてファーストプライオリティだと思うので、生存の危機を除去するためなら、ほかの事業を削ってでも、あるいは増税してもやむを得ないと思うが。それにしても、ホームレスの命のコストとタクシー代を等価と見る人間がいるとはね……この御仁は自分が死にそうな時も、助けに来た人が「救命費用が経費で落ちないから助けられません」って言われたらあきらめるんだろうか。こういう人がいるから、日本で社会的包摂が進まないんだろうと思う。
このレビューは参考になりましたか?
31 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
東日本大震災の発生以降、格差問題、貧困問題がマスコミに取り上げられる機会は減ったのかもしれない。
しかし筆者は、震災で最も大きな被害を被ったのは社会的弱者であり、
今後の復興の過程において更に格差が拡大する恐れが強いと言う。

筆者は「格差極悪論」に立つ。
格差社会は人間関係を劣化させる。
社会的弱者にとってはもちろん、強者にとってもよい社会ではないのだ。
ではどうすればよいのかというと、現在行われている社会保障をさらに手厚くするだけでは不足だという。
弱者に対する「社会的包摂」が必要である、
すなわち弱者にも役割又は出番が存在し、人間としての尊厳が確保される、「弱者の居場所のある社会」
の構築を目指すことが必要だというのが筆者の主張だ。

筆者が「あとがき」で自ら述べているように、その語り口は熱い。
筆者の前作『子どもの貧困』(岩波新書)は良著だったが、
本書も筆者の主張が全面に出されていて、その主張は説得力があり、良著だと思う。
このレビューは参考になりましたか?
11 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
柔らかい語り口に、
難しいテーマ。
なかなか骨太な新書です。

1章、2章が貧困の定義。
3章、4章が阻害の説明。
5章、6章が社会政策に向けての提言です。

1、2章の貧困についての定義、説明が、
私には大変有意義でした。
特に「絶対的貧困」と「相対的貧困」の概念は、
今まで意識したことがありませんでしたので、
まさに入門的に勉強になりました。

また「精神的貧困」に関する考察等、
貧困の現場での体験が著作に生きていると思われ、
日本社会の貧困問題の複雑さを教えられます。

3、4章はホームレス支援の現場で体験した、
貧困による社会阻害の現実を、
「居場所」や「つながり」というキーワードで説明している。
承認の重要性に気づく。

5、6章は社会的包摂について語っています。
著者の苦しいのは、
「社会的包摂を実現した説得力のあるお手本」が、
提示できないところだろうと思います。

とは言え、
弱者も社会の中で繋がっていくというアイデアを、
決して実現不能でないと思わせる、
著者の熱意、著者の熱い情熱が文章に力を与えていて、
読み応えのある結論でした。
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最近のカスタマーレビュー
『格差社会の衝撃』も読みました。
 『月刊福祉』3月号で、「『居場所』『つながり』『役割』を
もって生きるためのキーワードである社会的包摂を論じた... 続きを読む
投稿日: 2か月前 投稿者: 野原ひろし
格差を主張するだけでは何の解決にもならない
 弱者の定義を曖昧にしたまま格差論を展開しても空しい限りである。
「存在価値を発揮できるような尊厳をもって生き生きと働くことので... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: Howard Jones
貧困問題の改善には国民の負担増が不可欠だという厳然たる事実を無視している
前著『子どもの貧困』での問題点が全く直っていない。著者が日本社会の現実を直視し、貧困問題が全国民の「合成の誤謬」であることを認めなければ問題は決して改善されない。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 少子化問題に直面しようとしない日本
社会政策の理念に関する説得力ある議論
 著者は貧困問題の有力な研究者の一人。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: shunp
納得はできます。しかし理論では語りつくせない。
貧困と格差がはなはだしく顕著になってきた、追い打ちをかけるように3.11が来ました。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: 虚無庵
著者の熱い想いは伝わるのだが・・・
東日本大震災が発生した現在において、著者の唱える「社会的包摂」は重要に思えるが残念ながら本書の根拠は薄い。... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: ZEI
もっともな指摘ですが...
弱者を救うための社会的包摂を勉強する入門書としては手軽だと思いました。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: kuma
社会から排除されるひとびと「格差極悪論」
「格差」は社会的排除を生む。それには「社会的包摂」つまりみんなで守ることが必要だとする、
新しい視点から書かれた格差論の好書である。... 続きを読む
投稿日: 5か月前 投稿者: Gori
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