ドイツ証券のエコノミスト安達誠司さんの
円高の正体 (光文社新書)という本に、
この本の記述があり、どんなことが書いてあるんだろう?と思って読みました。
以下、円高の正体に書かれていた記述を転載したいと思います。
■モノの値段が下がるだけではない
2011年11月に出版された『弱い日本の強い円』(日経プレミア)の中に、次のような記述があります。
「 デフレであれば多少それが続いたところで、個人にとっては購買力が高まるので、
実は幸せなことである。さらに、普通に会社に入って勤務を続けていれば、多少賃金
制度などが変わってきたとはいえ、歳をとっていくなかで昇給等によりそれなりに名目
賃金は増える。デフレで物の物価が下がるなかで、賃金はそれなりに増えているので
あるから、実質的な購買力は結構上がっているのである。(101ページ) 」
(中略)佐々木さんはここで重要なことを見落としていると思います。それは「デフレの世界では社
会全体で賃金が減り続ける」ということです。図表14は、日本人の平均給与(年収)の推移と、物価(
コアコアCPI)の推移をあわせて示したものです。この図を見る限りまず、同書の「賃金がそれなりに
増え続ける」という状況は、いまの日本ではまったく起こっていないどころか、賃金は年々減り続けて
いるということが言えそうです。
(中略)ここから想像するに佐々木さんは、ご自身の経験のみを念頭において、「賃金はそれなりに
増える」とお書きになっているのかもしれません。しかし、実態は図表14の通りです。日本全体の賃金
が下がる続けるデフレ――これは、日本の社会全体にとって「悪」以外のなにものでもありません。
うーん、二冊とも読んだ結果、この部分の記述に関して私は、安達さんのほうに軍配が上がるのでは
ないかと思っています。
また、安達さんは「円高の正体」を、すごく佐々木さんのこの本を意識してお書きになった部分がある
ように思いました。例えば、p.163の「コラム5―為替アナリストのロジック」の「ロジック1」の部
分で「為替は金利差で動く」と主張する為替アナリストの説を否定する部分がありますが、これって正
に佐々木さんに向けておっしゃられているのではないかとさえ思いました。
私には、ほとんどの説で安達さんのほうが正しいように思えたのですがどうなのでしょうか?
この本をすでに読んでしまった人には参考にならないかもしれませんが、この本を読もうとしている人
は、先に安達さんの本を読んでから、この本を読んでみると、読み比べができて、理解も深まり、さら
にこういう論争ってなかなか見れないので(私は)ハラハラしながら読めたのでおすすめです。
この本自体の評価は、安達さんの本を読んでいなければまた変わったのかもしれませんが、第1〜4章
まではすごく納得できたのですが、第5章〜9章までがすごく納得できなかったので、星は2つにさせ
て下さい。