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弥勒 (講談社文庫)
 
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弥勒 (講談社文庫) [文庫]

篠田 節子
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

想像を絶する政変!渾身の超大作!!
ヒマラヤの小国に潜入した男は革命軍に捕まり、絶望的な窮地に!

ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国だ。新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。

内容(「BOOK」データベースより)

ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国だ。新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。

登録情報

  • 文庫: 672ページ
  • 出版社: 講談社 (2001/10/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062732785
  • ISBN-13: 978-4062732789
  • 発売日: 2001/10/16
  • 商品の寸法: 14.6 x 10.6 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (21件のカスタマーレビュー)
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
べた褒め 2005/3/7
形式:文庫
完全平等社会という美名の下に多大なる犠牲を生み出し、その先には
崩壊が待ち受けているだけの過激な政治体制。しかしなぜそんな愚行に
走ったのかというその背景、過程、結末を緻密に描いていくにつれ、
果たしてその間違いを頭ごなしに糾弾し否定し去ることができるのか、
段々と疑問を覚え始めていきます。

ひたすらシビアにそれぞれの立場・思想理念を描き出し、決して
描写が一方的で独り善がりなものにならない。また、人の手に余るような、
超越した美しさを持つものを端整に描写する筆力があります。

想像を絶する過酷な状況に追い込まれた主人公永岡も、超越した
美しさを持つパスキム美術、弥勒が心の拠り所になっていたんでしょうか。
このあたりこの人らしい作風ですね。

文体も美しく読みやすいのに重厚感があり、しばしばハッとする描写に出会います。
読んでる間はめまぐるしく自分の価値観が揺らいでいくし、
読後は救いや信仰、人の死について多少泥沼思考にハマりました(笑)
ラストに拍子抜けという人もいると思いますが、個人的には
これがベストな終わり方と思います。篠田作品では一番好きです。

深いテーマを押し付けがましくなく、面白く読ませてくれる傑作。

このレビューは参考になりましたか?
17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
大作。
こんなにいっぺんに、たくさんのことを語りかける作品は他にないんじゃないの、と思うくらい、さまざまなことを問うている。
美とは何か、宗教とは何か、政治とは、国とは、人間とは・・・。

なのに盛り込みすぎの感もなく、内容に破綻がない。
架空の国の物語なのに、絵空事の物語とは全く感じられず、強い吸引力で小説世界に引き込んでゆく。
主人公・永岡とパスキムという国が、どういった運命をたどるのか、追いかけずにはいられない。没頭してしまう。すごい。

美の鑑賞者であり賛美者である永岡。
培われた歴史と文化の中で生み出される奇跡のような美は、何よりも尊く、人の命を代償にしてでも守り抜かなければならない、と考える彼の価値観。

不遜ながらも高邁な彼の精神は、安全で豊かな暮らしを当然のこととして享受しうる基盤があるからこそのものだろう。

洗練された現代人であった永岡が、原始的な生活を強いられたとき、彼の心はどう変わるのか。変わらないのか。そしてもし、それが自分だったら?つきつけられる疑問は、難しく、怖い。

さらりと軽く楽しく読み流せる本ではないが、読み応えは満点。タイトルの堅さとページの厚さで、敬遠しないでほしい。
このレビューは参考になりましたか?
17 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ヒマラヤをよく訪れる者として何気なく手に取りましたが、まさしく救いとは何か、人間にとって必要なものは何かを考える作品です。この主人公は私かもしれないと何度も思いました。

ヒマラヤの(架空の)小国でクーデターが起こり、体制はあたかもカンボジアのポルポト時代のようになってしまう。だが、鎖国状態、しかもヒマラヤの小国であるため、何のニュースにもなりません。学芸員である主人公は、その国民ではなく、その国の仏教美術が大切であるがためにその小国に潜入し、美術品を国外に持ち出そうとし、そして、囚われ、待っていたのは想像を絶する労働と飢餓の状態だった。

だが、ここでふと私が思ったのは、アフガニスタンのことです。9.11以前あの見捨てられた国に、世界が関心を向けたのは、タリバンがバーミヤンの石仏を爆破すると宣言したときだけでした。世界はそこに住む人間ではなく、命のない石仏に対して金を出すから爆破はやめるよう迫った。この私たちの行為は、この作品の主人公が「美術品が心配なのだ」とはっきり言うのとどこが違うでしょうか?主人公を責めることも憐れむことも私にはできません。

ここに描かれていることがすべて虚構であると言える人間は果たしているでしょうか。この本は、今までの自分への問いかけとも言える一冊です。

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投稿日: 19日前 投稿者: buenafe2005
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インドと中国の間に位置する、ヒマラヤ山麓の想像上の小国パスキム。首都カターで、永岡は国王サーカルに会見、この国の美しい建物や仏像、そして人々の暮らしにすっかり惚れ... 続きを読む
投稿日: 8か月前 投稿者: せいざん
ゲルツェンへの共感
篠田節子の本を初めて読みました。周囲の連中をスノッブとして馬鹿にする主人公自体、エリート意識丸出しで、いざとなったら超へなちょこのスノッブ野郎です。あまりといえば... 続きを読む
投稿日: 2009/10/13 投稿者: Krokodil Gena
長くて、重くて、限りなくまじめ
 大作です。読み応えは十分堪能できます。... 続きを読む
投稿日: 2009/5/4 投稿者: tyokoya
モデルは文化大革命ですね
これ、主要なモデルは文化大革命ですね。
ある日突然政変が起きて…という部分はポル・ポトでしょうか。... 続きを読む
投稿日: 2007/7/29 投稿者: 鳥追い
現実に行われていることがモデルなんですよ
読んでいて感じたことはこの作品が、架空のものだと思っている方が大いことです。もちろん、小説ではありますがこれと同じこと、あるいはもっと酷いことをまさにいま中国共産... 続きを読む
投稿日: 2006/11/21 投稿者: 隊長@神戸
宇宙を背負う
本書を読むにあたり、連続した強い緊張を強いられる。到底、平常心では読めない。ヒマラヤの小国で永岡が体験した事は、人間の極限状況の連続だ。宗教を含むすべての文化を否... 続きを読む
投稿日: 2006/8/7 投稿者: ヤキソバ
とにかくすごい
なにげに読んでみたら・・・やばかった。この作者何者?っていうくらいすごい濃く深い内容でした。舞台はネパールの辺りの架空の国、仏教云々の内容ではなく、政治的パニック... 続きを読む
投稿日: 2006/4/24 投稿者: dragonsoul
確かに凄いのだが・・
綿密な取材と構想のもとに、これだけの大きな物語を一気に語ってしまう筆力には... 続きを読む
投稿日: 2005/9/24 投稿者: デルスー
諸悪莫作
 吸い込まれるように読んでいった。
 重いが面白い。
 恐怖もややあってか夢に登場したりもした。... 続きを読む
投稿日: 2005/4/30 投稿者: リン太
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