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これを読んで少なくとも自分が親の世代とは全く違う価値観にあることが改めて分かり、またあの世代の価値観が理解できそうな程その背景にある昭和という時代が伝わってくる。
小説となっているが内容は石原裕次郎の生涯が兄・慎太郎の語りで綴られる随想。商船会社に勤める父が地元の名士として通っていた小樽の少年時代から始まり、舞台は~~転勤で移った湘南へ、慶応に通いながらヨットやパーティーに明け暮れる青春時代、そして日活のスター、西部警察、死期。
この兄弟の恵まれた、要するに遊ぶ金ならいくらでもありましたといった境遇も庶民からは羨望の的だけど、この石原裕次郎のスタイルがあまりに時代に乗り過ぎていた、もう少し細かく言えばその時代の普通の人が”俺もそんな暮らしを”~~と憧れる一歩先に常にいたこと、それをアメリカのコピーとかじゃなく全くの我流でそこにい続けたことに天性的なセンスを感じる。それは単純に大量消費時代の幕開けの潮流に乗ったと片付けることもできるかもしれないが、ヨットという趣味は若干一線を越えてるし、映画「黒部の太陽」なんかはプロジェクトXを何十年も先取りしていて、西部警察で演じた刑事長は~~失われる父権をとっくに見越したようなキャラを演じている。この本人が全く意識していない先見性は実に超人的でこの人がまだ生きていたら80年代はまた違ったものになっていたかもしれないと思わせるくらい。そこが俳優家の高倉健とは一線を画くのだろう。
おまけに幼少時代から病の床まで子犬の呪いとか地蔵のたたりなどアウタースペースとの接点も多く、そ~~れでいて本人は肯定も否定もせず「あ、そう」と流すところにも惹かれるものがある。~
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