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弘前大学教授夫人殺人事件 (講談社文庫)
  

弘前大学教授夫人殺人事件 (講談社文庫) [文庫]

鎌田 慧
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

一九四九(昭和二十四)年夏、青森県弘前市で大学教授夫人が殺害された。警察は近くに住む無職の青年を逮捕。懲役十五年の判決が下された。事件発生から二十年後、真犯人が名乗りでた。無罪判決までそれから実に八年もの歳月を要した。
当時は、国家地方警察と自治体警察が対立。青年は地域の権力争いの犠牲となり<無実の犯人>に仕立て上げられていった。警察による証拠の偽造を徹底解明。
無実の青年と真犯人。この二人の数奇な運命を主軸にした、衝撃のルポルタージュ! --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

ある日、突然、ひとりの青年が殺人犯として逮捕された。彼がいかに彼の真実を叫び続けても、「血痕」鑑定を理由に、裁判所は極刑を宣告した。以来、真実は闇に葬られ、真犯人が名乗りでるまで、〈つくられた犯人〉の不条理な運命は、どのような軌跡を描いたか。冤罪事件の全貌を解明する衝撃的ルポルタージュ。

登録情報

  • 文庫: 272ページ
  • 出版社: 講談社 (1990/01)
  • ISBN-10: 4061846000
  • ISBN-13: 978-4061846005
  • 発売日: 1990/01
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 736,477位 (本のベストセラーを見る)
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By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
 この作品で扱われているのは、終戦後の混乱期に弘前市で起こった冤罪事件、弘前大学教授夫人殺人事件である。

 著者は、事件の発生から一人の青年が犯人として逮捕、有罪判決、服役、出所そして再審による無罪判決を得るまでを、事件関係者への取材を丹念に取材を重ねていくことで、裁判に現れていない当時の状況を明らかにしていく。

 クライマックスは、青年の出所そして『殺人事件の時効完了後』に真犯人が名乗り出たことをきっかけとして、再審による無罪を勝ち取るまでの経過だが、真犯人とその周辺の人物の証言が中心となる展開は、まさに小説のような出来事の連続である。

 反権力の姿勢が強い著者ではあるが、この作品では、当時冤罪事件を引き起こした警察等の権力に対して、いまさら声高に批判を加えることはせずに淡々と事実を積み重ねている。そして真犯人に対しても、彼が著者に述べた言葉と事実を記述するだけであり、それに対する著者の批判的な意見は表していない。

 しかし、著者は、真犯人として名乗り出たことで彼を肯定しているのではない。彼が著者に語った言葉と現れている事実だけで充分であり、それ以上の意見は必要ないのである。

 

 この作品が、事件の後追取材や関係者に対する取材あるいは大胆な推理に頼らなければならない凡百の作品と大きく異なるのは、真犯人に対する取材が成功したことにより、事実の積上げが完成しており、最早、著者の意見や推論は必要なくなっている点であり、まさに『ノンフィクション作家によるノンフィクション作品』である。

 

 

 
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By TaroTaro トップ500レビュアー
形式:文庫
この作品で扱われているのは、終戦後の混乱期に青森の弘前で起こった冤罪事件、弘前大学教授殺人事件である。

著者は、事件の発生から一人の青年が犯人として逮捕、有罪判決、服役、出所そして再審による無罪判決を得るまでを、事件関係者への丹念に重ねていく。そして、当時の裁判で現れていなかった状況を明らかにしていく。クライマックスは、青年の出所、そして『殺人事件の時効完了後』に真犯人が名乗り出たことをきっかけとなり、再審による無罪を勝ち取るまでの経過だが、真犯人とその周辺の人物の証言が中心となるその展開は、まさに小説のような出来事の連続である。

反権力の姿勢が顕著な著者であるが、この作品では、冤罪事件を引き起こした警察等に対して、今更声高に批判を加えたりはしていない。調べた事実を淡々と積み重ねているだけである。真犯人についても、彼が著者に語った言葉と、明らかになった事実を記しているだけである。自分の犯した罪が時効になってから名乗り出たことを批判している訳でもない。

しかし、著者は、美談の人物として彼を肯定しているわけではないはずである。私には、著者が、この作品は取材によって明らかになった事実と多くの証言だけで充分であり、殊更自分の意見を挟む必要などない、と判断したのではないかと思えてならなかった。

この作品が最初に出版されたのは‘78年とかなり昔だが、今読んで色褪せることのない優れたノンフィクションである。
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