相変わらず、ストーリー展開の予測がつかない。予想を裏切られたときの驚きの累積が、静かな興奮を呼び起こす。これがあるからキム・ギドク作品はやめられない。(笑) はたして、少女は「仏」なのか「夜叉」なのか...。
話自体は、愛の寓話もしくは神話と見るべきなのでしょう。監督は、「現実と魂の融合」を描きたかったとインタビューに答えています。クライマックスのシーンは、まさに魂との交接であり、監督の意図が見事に具現化された秀逸なシーンでした。
ただ、監督は、老人には下心が無いと言っているが、カレンダーにハートマークなんかつけて結婚式と記入し、やばい状況になってくるとカレンダーを破り捨て、前倒しして一緒の床にする、という設定は俗っぽ過ぎるかな。
ともあれ、まるで相容れないような年の差の男女を描いていく中で、何故か不思議と、この二人の愛憎劇に説得力を感じてしまう。キム・ギドクの描く世界には毎回すっかり虜になってしまう。
ハン・ヨルムが無垢で、妖艶さも併せ持つ少女を見事に演じています。「サマリア」では登場場面が比較的少なかったけれど印象的だった。本作の成功は、彼女の魅力と演技に負うところが大きいですね。女優としての可能性を感じさせます。