筆者は教士七段で、「技を極める弓道」にもモデルとして射影が掲載されている。しかし、本書の内容はとても高段者が一般向けに書かれたものとは言い難い。例えばかけについての記述も「三つがけと四つがけは、握り方が少し異なるだけで、弓を射る方法に違いは無い」とあるが、首を傾げてしまう。双方の違いは、少し弓の心得がある者にとっては明瞭である。「かけがえの無い」という諺のとおり、初心者の選択には細心の注意と熟達した指導者のアドバイスが必要である。しかし、この一文をみれば、何も知らない初心者は「どっちのかけでも好きな方を使えばいいんだ」と早合点するであろう。
また、袴の付け方も女子のそれは男子と異なる筈である。図入りで解説した方が親切だったのではないだろうか。
あと、大変申し上げにくいが、こういった本のモデルになるには、射手の個癖が目に付きすぎる。ご本人も指導されている先生も重々ご承知だろうから敢えて列記はしないが、もう少し基本を身につけた高段者がモデルになるべきではないだろうか。
DVDというメディアを活用しているのは進歩的であるが、肝心の内容がこれでは頂けない。再販されるなら、内容について見直しをお願いしたい。