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弓削道鏡〈上〉 (文春文庫)
  

弓削道鏡〈上〉 (文春文庫) [文庫]

黒岩 重吾
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

その呪力ゆえに、孝謙女帝の信頼を得て、太政大臣禅師、法王と異例の出世をとげた怪僧道鏡の生涯。政争と天皇の愛を描く王朝ロマン

内容(「BOOK」データベースより)

国家揺藍期の天平。御世は血で血を洗う政争の時代でもあった。河内の無位氏族に生まれ、法力僧になる以外は出世の糸口がなかった青年道鏡。かたや豊満美貌の孝謙女帝。平城京を舞台に、運命の出会いを果たし、火の如く燃えさかる二人の純粋な愛の行方…。古代史小説の第一人者が、雄渾に清冽に描ききった新王朝ロマン。

登録情報

  • 文庫: 429ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (1995/06)
  • ISBN-10: 4167182300
  • ISBN-13: 978-4167182304
  • 発売日: 1995/06
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 224,442位 (本のベストセラーを見る)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:文庫
 とかく性的魅力で孝謙女帝を支配したという噂もつきまとう怪僧・弓削道鏡。これはそうした下世話な要素は排した上で、政争の荒波の中で何かをなそうとした男と女のロマンを見つめた長編小説だ。けっしてでたらめに生きたわけではなく、強い意志をもって時代に果敢に挑戦し、そして敗れていった人々の人生が魅力的に描かれている。
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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 青頭倶楽部 トップ50レビュアー
形式:文庫
黒岩の古代史作品としては、もっとも新しい時代を扱った作品になる。もっぱら日本史
上の大悪僧として語られる弓削道鏡を描いた意欲作だ。なぜ彼は悪人として後世に
まで汚名を残すことになったのか?一般的な歴史認識では、奈良後期に孝謙上皇を
男性的な魅力でたらし込み、あろうことか皇位にまで手をかけたアブラギッシュな野心
家といったところであろう。わたしも同様に思っていた。尊王の心のある国民にとって
皇位を簒奪しようとするなど絶対に許せない。そういうところから希代の大悪僧という
ことになったのだろう。実際には、足利義満も皇位簒奪の野望を実現しようと企図して
いたようだが、道鏡の場合は野望完成の一歩手前まできていたところが類例がない。

本作に登場する道鏡も野心家として描かれているはいるが、人間的な魅力に富んだ
多面的な人物として描写されている。物部の支流・弓削連の無位氏族に生まれるが、
成り行きで僧になる。その際、一番の心配のもとは女を抱けなくなること。名僧義淵の
弟子になってから、道鏡は出世のために看病禅師になることを目指す。(下巻に続く)
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形式:文庫|Amazonが確認した購入
 飛鳥人にとって期待の最新鋭の都、藤原京を捨て、平城京への遷都を決行(710年)せざるを得なかった苦難の時代がやっと落ち着いた神亀三年(726年)、すなわち華やかな王朝文化が花開きつつあった聖武天皇即位の直後からこの物語は始まっている。上巻は道鏡という野心的な人物の目を通して、当時の歴史を通観しており、それは取りも直さず作者黒岩章吾による歴史解説そのものである。藤原氏によって仕組まれた長屋王事件、天然痘による藤原四兄弟の死、橘諸兄や吉備真備、玄ぼうによる反藤原氏勢力の台頭、それへの反動から起きた藤原広嗣の乱、孝謙女帝を誑かして愛の虜にした藤原仲麻呂の専横、それへの反動から起きた橘奈良麻呂の変など、目まぐるしく変わる朝廷内勢力の変遷を、道鏡が孝謙女帝の看病禅師になるまでにわたって書き上げている。当時の時代背景にあるのは、藤原氏と反藤原氏との間の権力闘争であり、聖武天皇をして「三宝の奴」とまで言わしめた呪術的な南都仏教の天皇家への蚕食、愛情に飢えた孤独な独身女帝の存在である。この三つの時代背景があってからこそ道鏡事件は起こるべくして起こったのであり、歴史の結末を知らなかった当時の人々は実に複雑な気持ちで事の成り行きを見守ったに違いない。本書はそのような時代の歴史解説書としては、実に面白い読み物である。しかし、聖武天皇の5年にわたる彷徨の理由についての作者の見方には賛成できない。気の弱い聖武が、広嗣の乱に怯えて精神状態がおかしくなり遷都を繰り返したということではなく、皇室が以前から計画していた予定の行動であったと思う。
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