図面の描き方にルールがあるのか?
「建築」を学ぶ学生・生徒はもとより授業を担当する指導者達も明確にこの事に触れなかった部分ではないだろうか。
何となく自己流に「写図(模写)」することにより、読図し表現する技術を会得してきた人たちが、建築士の資格取得の講習会に参加して初めて「図面の描き方(ルール)」を意識し、納得がいかない部分があっても資格取得のためテクニックとして、深く考えることなく通り過ぎてきた部分であろう。
しかし、この本では本来1/100で描くべき図面を1/50に拡大して描くことにより、図面の描き方やルールを身につけるという独特の視点で編しており「建築製図」を学ぶためのまさしく入門書として活用できる1冊です。特に、矩計図と施工実例写真を並記して説明している頁は、線1本の意味をしっかりと理解することが大切であるとの筆者の思いが伝わります。また、2色使いによる作図手順(描順)の指示をすべての箇所に数値を示して「解らない!」と投げ出しそうになる気持ちを助けてくれる構成はありがたい。特に、「木造図面の描き方」の章においては、平面図と立面図の関係や、平面図と断面図の関係、さらには各種伏図に至るまで丁寧な作図手順を示し、理解しながら描けるように工夫されている。
本書は、まさにタイトル通り建築製図を学ぶ上での基本の基本を示した書である。是非、建築初学者及び工業高校等で指導する指導者にも手元に置きたい1冊です。