建築空間のヒューマナイジング
環境心理による人間空間の創造
日本建築学会 編
本体2400円+税
彰国社(電03−3359−3231)
本書は,建物に対する利用者の感じ方を,環境心理学の手法で分析し,実務に適用した事例を集めている。
新宿副都心のビル風を防ぐために,屋根をかける,植樹,警告塔など複数の対策から望ましい案を利用者にヒアリングした。結果,防風効果ではあまり差のない植樹と防風フェンスが,それぞれ最上位と最下位になった。ここから,利用者は防風効果だけでなく,同時に街にうるおいを与えることも望んでいると分かった。
そのほか,建物利用者の評価に基づく小児科医院の改築計画や,スキー場の宿泊施設に関する日本人とフランス人の好みの違いなど,建築物のデザインや機能だけでなく,建築物の色や音,街のイメージなども対象にしており,内容は多岐にわたる。
建物の利用者は,設計中には存在していないことが多く,その意見を設計に反映することは難しかった。環境心理学は,実務には役立たないとの批判もあったが,実用性は高まってきているという。
( 吉田有子)
(日経アーキテクチュア 2001/10/15 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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