内容紹介
ル・コルビュジエやライトとともに、建築における世界の三大巨匠と言われるミース・ファン・デル・ローエ。アメリカに亡命し過ごした30年間、ミースは、モダニズム建築を通じて20世紀の建築史を大きく塗り変えていきました。
本書は、インタビューに答える形で、自らの建築理念、クライアントとの関係、作品の中で提示されている近代の建築文法を生み出すような共通の建築言語のことや、「建築とテクノロジー」の合体について、ミース自身が語っています。
ミースは、目の前のインタビュアーと話題を深めていく、という感覚は薄く、淡々と、しかし時に強情な語り口で、異空間に存在する相手と対話をしている、という印象を与えます。しかし、ミースのマニフェストである「建築とテクノロジー」の強い語りぶりや、同時代の建築家や建築スタイルに対して繰り返される批判は、読者に不思議な臨場感を与えるでしょう。そうした意味で、この本はインタビュー集でありながら、「建築家の講義」シリーズにふさわしいミースの貴重な「講義録」であると言えます。
このインタビューは、晩年のミースがイリノイ工科大学で教鞭を振るっていた1950年代後半から1960年代に記録されたものです。ミース自身が書いた文章やインタビューを日本語で読めるものはきわめて少ないため、本書はミースの「肉声」を身近に知ることのできる貴重な文献でもあります。
近年になり再評価されているミースの、建築作品が目指した理想や、時代の先を行く視座を、ぜひとも彼自身の言葉で味わってください。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小林 克弘
1955年福井県生まれ。1977年東京大学工学部建築学科卒業。1985年東京大学大学院博士課程修了、工学博士。1986年東京都立大学工学部建築学科講師。1988年東京都立大学工学部建築学科助教授。1998年東京都立大学大学院工学研究科建築学専攻教授。現在、首都大学東京大学院都市環境科学研究科建築学域教授。主な建築作品に、新潟みなとトンネル立坑、東京都有明清掃工場、オーベルジュ・ル・クロワートル、トトロ幼稚舎。BCS賞、日本建築学会奨励賞、多くの設計競技で上位入賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)