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廃屋の幽霊 (双葉文庫)
 
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廃屋の幽霊 (双葉文庫) [文庫]

福澤 徹三
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

じめじめと降りしきる長雨、闇にすだく虫の声、まるで彼岸に通ずるような春霞、そしておかっぱ頭の市松人形──日本人だからこそ感じる恐怖。夢と現実のあわいを描く七つの短編、これぞホラージャパネスク! これぞ怪談文芸の神髄! 解説・平山夢明。

内容(「BOOK」データベースより)

じめじめと降りしきる長雨、闇にすだく虫の声、まるで彼岸に通ずるような春霞、そしておかっぱ頭の市松人形―日本人だからこそ感じる恐怖。夢と現実のあわいを描く七つの短編。これぞホラージャパネスク!これぞ怪談文芸の神髄。

登録情報

  • 文庫: 300ページ
  • 出版社: 双葉社 (2006/08)
  • ISBN-10: 4575510874
  • ISBN-13: 978-4575510874
  • 発売日: 2006/08
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 685,236位 (本のベストセラーを見る)
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 どこにでもいそうなぱっとしない毎日を送っている男が、ふとした拍子に異界の方に踏み込んでしまい、ぞくぞくする出来事に遭う、そうした話が七つ収められている作品集。ホラーというより古き佳き怪談の手触りがあって、どの話もとても読みやすく、面白かったです。

 ぽったん、ぽったんと、雨だれが単調な音を刻むなか、男の周りの空気は次第にぴりぴりとした不穏の気で満たされていく。そしてそれとはっきり意識しないまま、男は幽明の垣根を乗り越えて、“あっちの世界”にするりと入っている。その辺の話のリズム、雰囲気をひたひたと盛り上げていく醸成感。これは良いな、肌に合うなと感じながら読み進めていきました。

 話のしまい方も巧いですね。するするとシャッターが降りてきて、がしゃーん。目の前がすっと暗くなったような感じ。ざばりと冷水をぶっかけられたような心持ち。ぶっきらぼうなようで、そうではない。実に効果的なラストだなあと感心しました。

 「春の向こう側」「庭の音」「トンネル」「超能力者」「不登校の少女」「市松人形」「廃屋の幽霊」の七つの話。どれも面白かったのですが、「トンネル」「超能力者」「廃屋の幽霊」が、殊に印象に残る短篇です。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Nacky
形式:単行本
いくつかの怪談をまとめた短編集なのですが、特筆すべきは語られる恐怖の質です。

物語の背景が現代日本のため、作中に登場する人物たちも、現代人特有の悩みや問題を抱えています。

その悩みが非常にリアルで真にせまっているため、読んでいて深く感情移入してしまいます。

現代人なら誰でも感じえる悩みで不快感を盛り上げながら、同時に怪談話しの伏線がぽつりぽつりと語られ、

気がついたときには、なんとも言えぬじっとりした恐怖に包まれているといったところでしょうか。

個人的には、海外の作品を読む機会が多いのですが、作中の繊細な言い回しや、風景を描写したときの臨場感、

登場人物たちの心の機微などは、やはり日本人の作家にしか表現できないと改めて感じました。

直接的な怖さではなく、心理的にじわりじわりと迫ってくる恐怖が、なんとも言えず癖になります。これはやっぱり作者の力量ですよね。

他の作品集も読ませてもらいましたが、恐怖をあたえる構図というか手法が似通ってしまっている点がちょっと残念です。

ただし、それを差し引いても読ませる作品です。
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8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By いせむし トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
投げやりな人生、手からこぼれ落ちていく安定、生活を覆っていく狂気。それらを恐怖と呼ぼう。
本書に描かれる恐怖は、日常の片隅に漂っている気配、それを受け入れてしまう人間の業である。

登場人物は、誰もそれぞれ荒廃の香りがまとわりついている。
恐怖を目前にしての反応は人それぞれだが、福澤の描く登場人物はこれらの恐怖に進んで身を任せていく。
破滅を欲しているとしか思えない。そこが怖い。
主人公たちの壊れた感受性が恐怖であり、(しかしそれは)どこか憧憬を伴う。
本書の描写が端的で美しく、ストーリーに無駄がないからだ。
これが本書の魅力だ。

人間、希望が見えないどん詰まりで、果たしてタブーを超えられるだろうか。
「お前はどうだ?」と問われているようだ。
「幻日」と一緒に読んでいただきたい一冊。
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