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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
タイ人小説家が日本を見ると?,
By cilantro (japan) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 座右の日本 (単行本)
「日本は僕の恋人」と言い切る筆者はタイ生まれのコスモポリタン。ドラえもんを読んで育った筆者の人生最初の想像力の扉はメード・イン・ジャパン。トイレに入ってもその「日本」性に感激する(!)筆者。私自身は日本のすべてが大好きなわけじゃないけれど、褒められるとやっぱりうれしい。日本、やるじゃん。そうそう、日本のオリジナリティ、わかる人にはわかるのね! 桜はバラやジャスミンと何が違う?漫画から京都の寺、映画まであらゆるジャパンに向けられる筆者の視線は、日本人とも、欧米人とも違う。愛がある。でも、日本人ってタイでも「胴長短足」っていわれてたんだ。ショック・・・・甘みもあるけど、時々ピリ辛な、タイの味付け。ちょっと癖になりそう。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
タイ人がみた日本。さらに米国という比較軸が加わった三点測量的な視点の面白さ,
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レビュー対象商品: 座右の日本 (単行本)
1973年生バンコクまれのタイ人現代作家が書いた日本についてのエッセイ集。バンコクに住む日本人青年を主人公にした、浅野忠信主演でタイ人監督による映画『地球で最後のふたり』(2003)の原案を起草し、脚本を担当している人だといえば、だいたいどういう人物なのか想像できるのではないだろうか。「タイが保護者であれば、日本は恋人だ」と広言する著者の視点は、タイ人のものであって西洋人のものではない。しかし、高校時代から大学時代にかけてという、もっとも多感な6年間をニューヨークで過ごした著者は、英語は堪能だが、日本語の読み書きはできないのが残念でならないようだ。 英語をつうじて西洋人の目に映る日本と、タイ語をつうじてタイ人の目に映る日本のいずれにも熟知しているこの作家がみる日本は、サブカルチャーからハイカルチャーまで実に幅広い。日本を恋人として、全体として捉えたいという思いがそのまま反映しているのであろう。日本に魅せられた人なのである。 「西洋人の目」とは、いわゆる「オリエンタリズム」のプリズムをいったん通過した日本であり、龍安寺の石庭や高野山といった、伝統的で、精神的な日本である。後者の「タイ人の目」とは、著者と同世代以下のタイ人がものごころついてからドップリと浸かってきた日本のマンガでありアニメをつうじたものであり、また日本映画をつうじて同世代以下の一般のタイ人には親しい世界である。 この両者が作家のなかで同居し、両立することで、あくまでも同時代人とて、等身大の日本をみる視点ができあがっているようなのだ。著者は冗談めかしてアニメ「一休さん」の世界というが(・・このアニメもタイで人気がある)、深い精神性を示した日本と「かわいい」が支配するこども的な日本。明るい側面と暗い側面。これらすべてがあわさってこそ日本であり、それがまた著者には限りなく魅力的に映るのだ。 この本に収められたエッセイは、日本人が読んでもあまり違和感の感じないだけでなく、むしろ日本人があまり意識していない側面をみているのが面白く感じられる。しかも、単純に自文化であるタイと異文化である日本を比較しているのではない、さらに米国という比較軸が加わることによる、三点測量的な視点に面白さがあるのだ。もしかするとこの視点は、英語はできるがタイ語があまりできない日本人が、タイ文化をみる視点に共通するものがあるのかもしれない。 西洋人が書いた日本論は読んでも、アジア人が書いた日本論を読む機会があまりない人にはぜひすすめたい、「エキゾチックではない日本」のポートレート集である。
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