まず、タイトルを見て違和感を覚えた(‐0.5☆)。
読んで思ったのは、これはニーチェの著作(ほとんどが「ツァラトゥストラはかく語りき」)から適当な箇所を抜粋し、無理に前向きな解釈をしているなということ。もっと言えば、曲解しているなということ。もっとも、ニーチェ自身、世界を解釈するのは各人の欲求であるという旨の文を書いてはいるが、ここまでされると怒るのではないか(‐4.0☆)。
読者に前向きな「突破力」を身に付けさせようというのなら、ナポレオンとか、坂本龍馬が題材として適切であり、現に著者もこの二人を題材にした著作を出している。
確かにニーチェの思想をもったいつけて振り回す人々には嫌気がさすけれど、本書の趣旨にはまったく共感できない。本書を読んでニーチェの著作を本気で読もうとする人がいたら、やめた方がよい。きっと、気が滅入り後悔する。
以上から、星の数は、☆1つ(四捨五入)。必要以上に難解な言葉で人を煙に巻くのはよくないが、難解でしかないものを無理にやさしくするのは、もっとよくない。
(追記:2010年2月7日)
ニーチェの著作に関する入門書としては、竹田青嗣氏の「
ニーチェ入門 」がよいと思う。永井均氏の「
これがニ−チェだ」も面白かったが、ちょっと難解であるし、毒もあるので、入門書として読むには重い内容と思う。
また、☆一つの評価に至った減点箇所を明示した。