「美しい数学とは、大切なこと、しかも一般性のあることを、すっきりと、ムダのない言葉で述べたものである(→「分かり易く、抽象的に述べる」)」という数学者の言葉を「数学的センス」(野崎昭弘)で知りました。その数学の本質を本書は幾何学を例にして解説しています。本書の内容は次の通り:()内は短いまとめ
序章「幾何学からの招待状」、第1章「コンパスと定規を使って」(定規とコンパスで作図できるコトとはどういうことか? ギリシアの三大作図問題について)、第2章「ピタゴラスの定理変奏曲」(正方形の分割による証明とボヤイ・ケルヴィンの定理の関係)、第3章「平行線の公理をめぐって―非ユークリッド幾何学の世界」(平行線というモノから平行というコトへの発展)、第4章「幾何学の楽しみ―いろいろな幾何学」(射影幾何学(デザルグの定理)、グラフ理論(一筆書きの問題、切断数 etc.)、トポロジーの初歩的議論)
いずれの章でも、具体的モノの議論から始まり、モノの性質(コト)へ踏み込んで、抽象的かつ一般的な結論へと導かれます。「真の発見の旅とは、新しい風景を求めることではなく、新しい目を持つことである」(プルースト)の言葉通り、本書を読むと見慣れた筈の景色(幾何学)を見る目が変わります。数学好きを自認する人(高校生以上)にはオススメ。(^-^)v (射影幾何学に関しては「エレガントな解答」(矢野健太郎)の"パスカルの定理"の解説も併せてオススメします)