表紙の中に「黒岩涙香「幽霊塔」より」という表示を見て、即購入しました。その昔、江戸川乱歩は旅先の地で涙香「幽霊塔」に出会い、部屋に閉じこもってこの物語を楽しんだそうで、後年、さらにアレンジを加えて自作「幽霊塔」を書き上げました。
私もこの乱歩版「幽霊塔」が一番好きで、何度読み返したかわかりません。その後涙香の「幽霊塔」「死美人」「鉄仮面」を旺文社文庫で楽しみました。
さて、この「幽麗塔」ですが、時代を若返らせての昭和29年という設定。不気味な怪人の謎を加えてこれからの展開に大注目。ところどころに涙香ワールドを継承している点も嬉しいかぎりです。登場人物全てに?があるのも次の連載を待ち遠しくさせる当時の涙香パターンと同じです。
その中でも「丸部道九郎」は涙香版の主役キャラクターなのですが、この作品では真逆の設定になっていますね。
気が早いのですが、次作は「死美人」を是非お願いします。