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「私達には取りついてるんですよ、父親や母親から遺伝したものが。…きっと国中に幽霊がいるんですわ。…それにみんな、私達、光をひどく怖がっていますものね。」
彼女は意を決して「幽霊」を追い払おうとするが…。
法や道徳、宗教への不敬、近親相姦や自由恋愛の擁護など、過激な側面を備えつつもこの作品が面白いのは、その「幽霊」の捉え方の巧さゆえである。物語に因縁的な色合いを添えるス!パイスとしての妙だけでなく、より広義で社会的な意味での「幽霊」の存在が実に面白い。更に、抜粋部のアルヴィング夫人の最後の言葉「私達はみんな光を怖がっている」と、ラストのオスヴァルの姿が見事にシンクロする。劇作家イプセンの構成力の上手さが光る伏線である。
難を言えば、主人公の魅力がいまひとつであるが、自分自身「幽霊」との対決に挑んだイプセンらしい、社会派作品である。
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