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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
古き良き時代を彩る幽霊物語の佳編集。,
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レビュー対象商品: 幽霊 (単行本)
『歓楽の家』『無垢の時代』で知られる20世紀初期のアメリカの女流作家ウォートンの没後に出版された幽霊物語集。ゴースト・ストーリーをこよなく愛した作者が流麗に織りあげた、静謐で端正な語り口が味わえる七篇が収められています。『カーフォル』は、フランスの古城で三百年前に起きた夫婦の犬殺しにまつわる悲劇が描かれます。『ジョーンズ氏』は、イングランドの古屋敷を管理する初老の男の謎を巡る話です。『柘榴の種』は、ニューヨークに暮らす新妻が夫宛に届く差出人の名が無い手紙を見つけるが、やがて亡くなった前妻の存在が意識されて、幸せな家庭が崩壊してゆく。『晩霊節』は、コネティカットの屋敷に従姉を訪ねた女性が晩霊節のイブに、陸のマリーセレスト号事件のような状況に遭遇する物語です。 小説を味わう尺度には、執筆された時代が大きな要素を占めると思います。本書には喧騒に満ち満ちた現代社会には無い、古き良き時代の価値観や人間模様が多く含まれていると思います。私にとっては、随所に時代の息吹が感じられ、今読み返しても貴重で愛すべき物語世界を内包していて、どうかそのままの姿をとどめていて欲しいと思えるのです。
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
静謐な。,
By ys1001 (神奈川) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 幽霊 (単行本)
この作者は、スコセッシ監督の ”エイジ オブ イノセンス” の原作者らしい。アメリカ人であるが、小児期からヨーロッパ各地を訪れていたらしく、古いヨーロッパの香りがただよう、7つの怪談がのせられている。怪談をかいておきながら、作者は、大変な恐がりだったようで、正直あまり怖くはない怪談である。特に、いろいろな怪談や、怖い話を聞き慣れたものとしては、、。いくつかの共通しているテーマは、古い時代の、”不幸な結婚”に伴う悲劇や、死んでまで主人に使える”忠実な召使い”といったところ。文章も、描写もきれいで、静謐な雰囲気を醸し出している。
5つ星のうち 4.0
詩的な美しい文章で綴られる、情緒溢れる怪奇譚,
By 現は夢 (日本) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 幽霊 (単行本)
作者はアメリカの女流作家という事ですが、先祖がヨーロッパ系の移民であり、 少女時代からヨーロッパ文化に親しみ、 またヨーロッパ各国に長期滞在経験があるせいか、 作品に漂う、どこかヨーロッパ的な雰囲気に惹かれて読んでみました。 全編に漂う、静謐な雰囲気も素晴らしい。 怪奇・幻想的要素の濃い、ブルターニュ地方を舞台にした「カーフォル」ですが、 朽ち果てた邸の中庭の方から、侵入者である主人公を特に感情も見せずに、 静かに見つめる数頭の犬達、という光景には幻想的な雰囲気が漂い、 印象的でした。 「祈りの公爵夫人」は、筋立て自体はとりたてて目新しさはないかもしれませんが、 以前と比べ、表情が変貌しているという、 およそ「祈りの公爵夫人」という題名にはふさわしからぬ、 恐怖の表情を浮かべた公爵夫人の彫像。 数百年後の肖像画からでも、すでに見て取れる、明らかに不似合いな夫婦の姿、 そしてそこに絡んでくる、妻と同じく魅力的な夫の従弟。 美しい文章で綴られる、さらりとした描写の中に、 想像を膨らませる書き方になっているのが、 上品というか、やはり、近代の外国小説の持つ、情緒というか。 やはり、小説というのは、ストーリーだけではなく、 どう読ませるかの要素もあるのかな?と思いました。 「石榴の種」は、故人のはずの前妻から届く、夫宛ての手紙、 そしてしだいに、得体の知れない不安感に苛まれていく後妻の主人公。 これだけ聞くと、一見「レベッカ」のような感じですが、 こちらはやはり怪奇物として仕上がっていると思います。
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