ものすごい駄作。
ヌードクラブを舞台にモデルたちが「幽霊男」を名乗る顔に包帯を巻いた男に(?)次々と殺されていく。その影には別に吸血癖のある左小指が欠けた蜘蛛を偏愛する津村という男もいるのだが...。
まず、時代背景が古臭く、この作品は昭和29年(というと1954年、初代「ゴジラ」が公開された年)に連載されたということだが、少し前に読んだ戦前作品の「夜光虫」とあまり変わらないかのように思える。
それ以上に何よりも、とにかく筋がメチャメチャではまり切れない。とくに美津子殺しの前に起きた美津子拉致事件が理解不能。
菊池と美津子を眠らせたのは左小指が欠けた津村。その美津子を拉致したのは顔に包帯を巻いた幽霊男。車のトランクに忍び込んで美津子を追ってきた浩吉を襲ったのが蜘蛛を偏愛する津村。
この美津子拉致事件、幽霊男と津村、幽霊男と美津子、それぞれの関係を考えたとき、まったく説明も理解もできない。これは、ストーリーに沿った登場人物の動きを無視して読者を欺こうというアンフェアに走ったというのが本当のところだろう。
それでも星1つとしなかったのは、美津子殺しの際のトリックには一応、見るべきものがあったから。それ以外は読む時間が無駄に感じた作品。