とにかくこの人のやりたいことは、はっきりしている。ポーの一部の小説などに色濃い、伝奇的なゴシック趣味や、ヨーロッパ各地にある幽霊譚をネタにして、イギリス始め、様々な地域の古城や、森、墓場、丘、湖上などをカメラに撮り、粒子の粗い、遥か昔の白黒写真を見るかのような錯覚と戦慄を演出しているのだ。それは、ワンパターンの画像の繰り返しなのに、ついつい、恐いものみたさに、ページをめくってしまうのだ。そして、写真集そのものに執り付かれたように、大枚だして買ってしまうのだ。
ただ、他にここまで徹底してやっている写真家がいないので、彼は希少価値のある写真家であり、その文章力からしても、すぐれた感性と素養を持った芸術家だとも言える。洋書版「The Twilight hours」や「Venice」では、また違った作風の彼にも会えるが、基本は同じだ、幻想的怪奇趣味!