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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
「まさか生きている内に読めるとは!」老推理ファンが感涙にむせぶ幻の名作です。,
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レビュー対象商品: 幽霊の2/3 (創元推理文庫) (文庫)
通好みの米国技巧派女流本格ミステリー作家マクロイ女史の中期を代表する傑作で1962年に邦訳されてから長らく絶版状態が続き老推理ファンの間で語り継がれて来た幻の名作が実に47年の時を経て遂に新訳刊行されました!昨年の「ライノクス殺人事件」に続いて、まさかまさかの刊行のニュースに驚きぶっ魂げまして、本当に東京創元社様の努力には頭が下がります。正直古書で入手しようとしたら(もし見つかったとして)、ウン万円はするでしょうし相当の覚悟が無い限り生きている内には読めないだろうなと思っていただけに未だに信じられないような気がしています。老推理ファンとしましては「ああ、生きていて良かった!」と感涙にむせぶ想いであります。さて、興奮を静めて長年題名だけで想像も出来なかった内容を紹介します。出版社社長宅で開かれたパーティーの席上、人気作家エイモス・コットルがクイズ・ゲーム「幽霊の2/3」をしている最中に毒殺されてしまう。偶然招かれていた精神科医のベイジル・ウイリング博士が被害者の妻の女優・エージェント夫妻、出版社社長夫妻、被害者に好意的な文芸批評家と逆の立場を取る同業者達から事情を聞き捜査を進める内に意外な事実が浮かび上がって来る。 本書は出版業界を舞台にした本にまつわるミステリーで、業界の裏事情が詳しく描かれていて非常に興味深いです。推理の部分としてはウイリング博士の専門知識が活かされる死者の秘密で更に話を錯綜させ、暗示的な手掛かりを随所に散りばめて、著者のあからさまで大胆な企みを秘めた真相を暴き出します。最後まで読み終えた今幻の名作の全貌を味わえた満足感にたっぷりと浸っています。神秘性が薄れるのは少し寂しい気もしますが、やはり多くのファンに読まれ愛されるのが一番良い事でしょう。年内に刊行予定のもう一冊の幻の名作サスペンス「殺す者と殺される者」からも大きな喜びが得られる事を期待しています。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
いいタイトル&絶版について,
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レビュー対象商品: 幽霊の2/3 (創元推理文庫) (文庫)
内容より、タイトルがいい。うまいものをつけるものだと思う。ストーリに関しては、ほかの方を参考にして頂くとしてこの作品の見所は、出版業界を舞台にした殺人事件をテーマにしており、いうなら「本作り関することに生じる謎を本という形式で描く」といった具合でなかなか興味深い。裏を返すと、映像化するとこの味はでない。あくまで書物として鑑賞すべき作品。この作品の魅力は大部分がこれにある。あくまでマニア好みの作品。長らく絶版であったのもうなずける。この辺に関心が持てない人には肩すかしの感もあるだろう。純粋にミステリとしての要素にだけに注目するとたいしたことはない・・・・と思う人もいるだろう。では、なぜこの作品の評判が高かったのか?要するにこの作品を褒めるひとの大半がプロであれアマチィアであれ本に関わるひとであったと想像する。そういうひとには興味深い内容なのだ。 登場人物の配置、捻りを効かした展開とプロットがよくできているので、読み物しても飽きさせずいい。が、復刊No.1という肩書きに期待しすぎると少々拍子抜けする。当時は斬新であったろうミステリとしての仕掛けも現代の読者にはありきたりの予想範囲内と感じる可能性が大であるから。現代ミステリのレベルでいうなら、標準作といったところ。仮に日本の現代作家の名義で今出版されたとしたら、傑作、名作と持ち上げられることはないだろう。べつにこの作品がつまらない訳ではない。面白いと個人的には思う。ただ、この作品の不幸は、復刊No.1という肩書きが一人歩きしてしまったことにあるだろう。 最近、感じるのは真に読者の需要があるような作品は、必ず「復刊」されるということ。文庫にうん千円、うん万円もだしてネットオークションで購入するのは、ばかげているというところ。図書館で探してもいいし、その手のサークルにはいってかりてもいい。それがだめなら、20年ぐらいは地道にまつこと、まず間違いなく復刊する。まあ、そんなに焦ってもしょうがない。作品の出来がいいものでも、絶版になるということは、マニア好みということ。あなたが読んでも面白いと思うかは別。そのことに一喜一憂するより、人生にはしなくてはならないこと、すべきこと、したらいいことがたくさんあるという気がしてならない。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
洒落たタイトルに盛られたダブルあるいはトリプル・ミーニングも粋な本格ミステリ,
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レビュー対象商品: 幽霊の2/3 (創元推理文庫) (文庫)
ヘレン・マクロイの長編ミステリを読むのは、名作のほまれ高いお気に入りの作品『暗い鏡の中に』(1950)に続いて、本書(1956)が二冊目。以前から本書のタイトルが気になっていたのと、本作品について次のように紹介されている文章を見て、それで興味が湧いて読んでみました。<伏線の張りかたといい、ウィリング博士の推理の冴えといい、みごとな出来ばえのビブリオ・ミステリになっている。表題も秀逸。> 森 英俊の『世界ミステリ作家事典 本格派篇』(国書刊行会)より 1950年代半ば、アメリカの出版業界を舞台に、内輪のパーティーで起きたベストセラー作家の毒殺事件。死んだ人気作家エイモス・コットルが得る印税収入など、彼の利害やら作品の書評やらをめぐって対立する関係者たち。パーティーの出席者のひとりであるベイジル・ウィリング博士が事件を調べていくなか、やがて、ある人物にまつわる不可解な謎が浮かび上がってきます。 本書で何より引きつけられたのは、この、ある人物の正体が話の途中てがらりと変わり、俄然謎めいてくる展開。そして、彼の正体に、本来はゲームの呼び名である“幽霊の三分の二”をひっかけて、タイトルにダブルあるいはトリプル・ミーニング的な含みを持たせているところ。まぎれもない本格ミステリである本作品の味わいで、とりわけ気が利いていて美味しく感じたのは、その部分でした。 駒月雅子の訳文は、癖のない平易なもの。読みやすかったです。 本文庫の帯の裏を見ると、2009年冬刊行予定として、同じ作者の『殺す者と殺される者』(1957)務台夏子訳 と記されています。先の森 英俊のミステリ作家事典によれば、こちらの作品は、<主人公は身におぼえのない敵意にさらされる。(中略)もっとも意外な犯人のヴァリエーションがかなり巧妙に用いられて>いるサスペンス系の作品とのこと。楽しみです。
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