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幼稚園バス運転手は幼女を殺したか
 
 

幼稚園バス運転手は幼女を殺したか [単行本]

小林 篤
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,310 通常配送無料 詳細
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幼稚園バス運転手は幼女を殺したか + 足利事件(冤罪を証明した一冊のこの本) (講談社文庫)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

90年に栃木県足利市で起こった幼女誘拐殺人事件の真相を追う。導入されたばかりのDNA鑑定の不備を指摘、驚くべき精緻さで事件の冤罪性を浮き彫りにした傑作。

内容(「BOOK」データベースより)

1990年5月、栃木県足利市で4歳の幼女が誘拐され殺害された。1年半後、市内に住む45歳で独身の幼稚園バス運転手が容疑者として浮上、DNA鑑定と本人の自供によって事件は一気に解決したかに見えた。ところが一審裁判の途中で被告人は自供を全面否認し、自らの無実を訴える。判決は無期懲役であったが、被告はただちに控訴、以後、冤罪事件として争われることになった。目撃者はなかった。物証もなかった。証拠は唯一DNA鑑定の結果だけだった。だが、当時導入されたばかりの鑑定法には疑問をもつ者も多かった。さらに、辻褄の合わない供述、犯人であることを前提とした精神鑑定等、この事件にはあまりにも多くの疑問が解かれぬままに浮遊していた。DNAが捕らえた男は、ほんとうに真犯人だったのか。6年以上にわたった精緻な取材をもとに、事件の驚くべき真相に肉薄する。

登録情報

  • 単行本: 397ページ
  • 出版社: 草思社 (2001/01)
  • ISBN-10: 479421023X
  • ISBN-13: 978-4794210234
  • 発売日: 2001/01
  • 商品の寸法: 18.6 x 14 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (12件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
足利事件の本を書くことは、他の仕事と掛け持ちではとてもできなくて、矢吹俊吉さんの実家が所有する茨城県新治村のミカン畑小屋に籠もり、1年近く掛けて執筆をしました。最初、段ボール5箱あまりの取材資料に目を通し、2ヶ月たった頃に全体の構成案を作り上げました。その際、打ち合わせに訪れた草思社の担当編集者・藤田博さんに、僕は、センチメンタルなある思いを短い文章をしたため、それを、この本の原稿のゴールにしたいというようなことを話しました。同時に、本を書き上げたときには、その文章を捨てられるような原稿が書けたらいいなぁ…と口にしたものです。

そして、すでに頭の中にあった文章を二つに割って、冒頭の数行だけを原稿用紙に書いて、ヨーイドンとばかり迷走原稿をスタートさせました。その前文は、こんな文章です。

        ☆

(たった数秒の間かいま見ただけで、目を背けてしまった花がある。きっと、生涯忘れることはないだろう。あの橙色の小さな花は、なんという花であったのか。)

        ☆

十ヶ月後に脱稿し、その原稿を藤田さんに渡したあと、読者には必要はない話だと感じた僕は、それでも頭の中にあった残りの数十行を書いてみました。それが、次の文章です。

        ☆

(僕が初めて真美ちゃんの遺体が捨てられた場所を訪れたのは、事件発生から丸4年が過ぎた五月下旬のことだった。一帯に葦が生えた渡良瀬川の中州の中で雑木が茂ったそこは、四方を中低木に囲まれて道もなく、人は立ち入りそうもない場所だった。
警察の現場検証の図面を手にした僕が、おそらくここであろうと見当を付けていると、同行した月刊現代の編集者・山岸浩史さんが、五メートルほど離れたニセアカシアの下で声をあげた。
「こばやしさん、ほら、あれっ!」
僕は彼の側に近づくと、指差す先を見た。日中でもほの暗いそこに、三十センチくらいの背丈の可憐な花があった。
「ほかにはどこにもないのに、なんで一輪だけ、こんなところに咲いているんですか?」
ただの偶然に山岸さんが感じた忌みを、僕は口にした。
「ここに捨てられてたんだよ」
内心の動揺を隠すためだったかもしれない。僕は、その花に向かって、殺された女の子の名を呼んだ。
「ひえー、やめてくださいよ…」
裏返った声で山岸さんが、あわててその場を立ち去ると、僕も従った。
この本を書こうとしたものの、僕は何度も投げ出した。そんな時、目を背けたあの小さな花が思い浮かんだ。
たぶん、あの日から、そんなところに花が咲いていたよと、誰かに伝えたかった。)

         ☆

僕が足利事件をあのような詳細な内容で書いたのは、冤罪事件であることを司法関係者に提示するためでした。一般の読者にとって、不要と思われる細々した情報を執拗に書き込んだ内容は、読み物の作品としては重く冗長すぎるものだったでしょう。でも、あえて法律の素人を承知の上で、被告無実の論証文を書いたのは、この捨てた文章の最期の一行にある思いでした。真美ちゃんの実名を出したのも、こんなセンチメンタルな感情からだったように思います。

この無用の長物に思われる本をお読みいただき、読者の方には深く感謝いたします。
このレビューは参考になりましたか?
27 人中、26人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
菅家さんの無実が証明され、世間に注目された今となってはマスコミもあたかも菅家さんを悲劇の主人公のように扱っているが、当時は警察・検察・そしてマスコミが一丸となって菅家さんを犯人に仕立て上げたといっても過言ではない。
そしてほとんどの人たちもそうした内容を鵜呑みにし、17年間忘れ去っていたことだろう。
そんな中、著者は実際に現場に足繁く通い、ありとあらゆる観点からこの事件の真相を知りたい一心で警察よりも綿密な調査を長期にわたって行っている。

残念ながら今は絶版となってしまったようだが、こうして注目されている今こそ、このような冤罪が二度と繰り返されることないよう、一人でも多くの人にこの本を手に取ってもらえるよう、再版を強く希望する。
このレビューは参考になりましたか?
41 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By カスタマー
形式:単行本
 足利幼女誘拐殺人事件は、DNA鑑定で犯人がつきとめられたとされた事件だ。しかし、小林篤氏は、まさに足で事件の「再捜査」を行い、事件が多くの疑問につつまれていることを明らかにしてゆく。そのプロセスは、推理小説よりもはるかに面白いというより、現実の私たちの社会を照射するものとして、不気味ですらある。ともかく読んでみてほしい。事実は小説よりも奇なり、である。
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最近のカスタマーレビュー
★丁寧な取材と裏付けにより書かれた秀作★
★いまだ一部では菅谷クロ説を唱える方がおり、詳細を知るべく色んな資料に目を通しています。取材内容はかなり濃く、なぜ冤罪が発生したのかとてもわかりやすい内容でした。... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: @リョウ
買いです。
出版されてすぐに書評で読んで購入しておいたのを、やっと読みました。ひさしぶりにページをめくる自分の手がもどかしかったです。第六章の「自白」の精薄境界域の言語認識に... 続きを読む
投稿日: 2009/11/12 投稿者: yoshioki6
後出しジャンケンは誰でもできる
菅家さんの釈放で一躍脚光を浴びた「足利事件」だが、裁判とリアルタイムで取材し、2001年の段階で本書が刊行されていたことにまず驚き。DNA鑑定にばかり注目が集まり... 続きを読む
投稿日: 2009/11/4 投稿者: 呑舟
人への愛
犯行時刻前後に犯行現場、周辺で何があったか? 被告(当時)は犯行が可能だったか? 犯人遺留物はどのような状況で確保され、どのように証拠保管されていたか?... 続きを読む
投稿日: 2009/10/22 投稿者:   
ドキュメントの名作
この本が足利事件が有名になる前の,2001年にすでに出版されていたことに驚く。筆者の筆致は冴え渡り,読み出したらやめられない。長い時間をかけて関係者に丹念な取材を... 続きを読む
投稿日: 2009/7/31 投稿者: 雄平パパ
すごい本だ。すごい著者だ。
出版が2001年。この段階で様々な検証の元、冤罪であることをほぼ断定している。まだ菅家さんは公式には「殺人犯」ということになっていたので、本当に菅家さんが犯人だっ... 続きを読む
投稿日: 2009/7/26 投稿者: hmx1
ノンフィクションの傑作
足利事件が話題になり、たまたま読んだところ、心底驚いた。事件の真相に迫る著者の地道な取材、抑えた筆致から滲み出す圧倒的な説得力、ひとりの人間として被疑者をはじめ関... 続きを読む
投稿日: 2009/7/17 投稿者: rinrin
私もニュースで・・
ニュースで冤罪の事を知り、購入しました。この7月で第2刷ですから、注目されていなかったのですね。足利市に限定したから3人の幼女... 続きを読む
投稿日: 2009/7/15 投稿者: ムジョルニア
執念の取材
... 続きを読む
投稿日: 2009/7/4 投稿者: sheepsong55
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