ドイツ文学のような味の漫画だ。
著者は、労働者であるということをあとがきに書いている。
なるほど、日常の手触りだとか、日常の不可思議なこと、怖いこと、緊張すること、不安なことを、ひとつひとつ拾い上げて、ストーリーに変えている。
ごつごつとした絵の感触や、台詞回しに、しゃれたところはない。
ジャンプだとか、マガジンだとか、スピリッツではやっていけないだろう漫画。
だけど、漫画はもっと自由でもっと広いものであっていい。
こういう漫画が、世の中にあってもいいし、少なくとも私は読んで印象深かった。
絶対に面白いものだとか、絶対に泣けるものだとか、そういうマシーンみたいなものをほしい人には向いていないけれど、
印象深いものをほしい人には向いていると思う。