Merry Go Roundの最高傑作だと思う。神経を逆撫でるヒステリックでヘヴィなサウンドと妖艶に粘りつく歌声に乗せ、聞いてるだけで鬱になりそうな暗く病んだ世界が迫ってくる。心の中で犯罪者の自分が目を醒ますような、体中の毛穴からウジ虫が這い出てくるような、イケナイ所に雑菌だらけの金具を突っ込まれるような不快感、吐き気のする暗さ。だが、そこに耽溺させるような甘美さがある。シュールで猟奇的な詩は初期から変わらないが、本作は今まで以上に言葉の並び方が喚起するイメージへのこだわりを感じる。前作以降どんどんコアでマニアックな存在になっていったイメージがやたら強いこのバンドだが、だからと言って別に初期と方向性が異なるわけではない。むしろ、ほとんど変わらず、大物になっても、徹頭徹尾V系ならではのダークさにこだわり続けたのがメリーゴーランドのすごさだと私は思っている。本作はダークなV系の1つの理想形・完成形なんだと私は思う。V系だからこそ出せる邪悪さ・グロさがある。
「狂い咲いた怪物と血で血を洗うカテゴライズ漬けのTABOO」は一回聞くとしばらく頭を離れない。洗脳されそう。生きてるってそう素晴らしい…そんな明るい言葉がこんなにも邪悪で怖く聞こえるなんて、初めて聞いた時は衝撃だった。「CELLULOID CLOSET」は曲も詩もメリゴ節全開、准那さん在籍時の雰囲気に回帰したような印象。激しく墜落していく感じが良い。「腐蝕果実」は倦怠感漂うスローな曲。化膿した傷口をジュクジュクいじって遊ぶような痛々しく倒錯的な感覚。帝王切開、ナイフ、腫れ物、猿ぐつわ、去勢…あまりにも危険で怖い。「心臓とPISTOL」V系バンドマンの追っかけの女性がこの曲を聞いたら、眉をしかめ目を背けるか、あるいは逆にこの曲にどっぷりハマってしまうか。「DUBFOUNDATION」はテンション上がる!エログロナンセンスで不健全な言葉の群れが迫ってくる。「絶対感覚」は何か悪いものが渦を巻き際限なく増殖していくような感覚に陥る。狂おしい。「僕が不眠症になった理由」はロマンチックなメロディと、幻覚的で悶々とした詩のギャップが良い。「RED LAMB」はホラーなピアノ伴奏で歌う。「空宙遊戯」は淡白で空虚な伴奏と、虚ろな口調の語り。