19世紀末から20世紀初頭、豪華本の黄金時代に数々の物語の挿絵を手掛けたカイ・ニールセンの作品をまとめた画集です。代表作「太陽の東、月の西」をはじめ、初期作品から画風の変わったアール・デコ期のものまで幅広く収録。ニールセン挿絵の集大成と呼んでも差し支えない内容です。
嬉しかったのは、挿絵のついていた元のストーリーのあらましが付いている点。ニールセンの絵はそれほどポピュラーでないお話のものも多く、何の場面か気になったときに便利です。「ミニョン・ミネット」ってどんな話だっけ?と首をかしげていた私にはありがたかった。
ニールセンの絵本が手に入りにくい昨今、こうして画集を手に取ることができるのは大変嬉しいですが、問題が一点。オリジナルの挿絵を忠実に再現しすぎたせいで、明らかに印刷がずれた絵が少なからずあります。ニールセンといえば繊細な細部の装飾が魅力なので、これはちょっと辛かった。
ずれのないバージョンはDoverから出ているNielsen's Fairy Tale Illustrationsで見ることが出来ますが、こちらは収録作品数がぐっと少ないので、両方揃えると丁度いいのかも知れません。
個人的にそこがちょっと気になりましたが、黄金期のイラストに興味をお持ちの方なら満足の一冊ではないでしょうか。初見の方もぜひどうぞ。