恋人でもなく、家族でもない女一人(主人公)と男二人の同居生活を描いた「幸福な遊戯」、母親の死後、家族が分散してしまった家庭で生きる私の生活を描いた「無愁天使」、演劇をやりたいのにもかかわらず、不安に耐え切れずに就職した主人公が銭湯である女を見かけるところから物語が始まる「銭湯」。どの話でも、主人公たちは、他の登場人物との出会いの中で、幸せの形って何だろう?自分の存在って何だろう?と考え、もどかしさを感じたり、悩んだり、もがいている。最初の「幸福な遊戯」では、同じ年頃の親しい人がやりたいことがないから・・・とうだうだしてて、みんなでぬるいお湯に浸かっているところを急に一抜けた、って感じで取り残される感じ、どこかで経験することもあるんじゃないかな?と思った。自分自身がまだ「確定」できていない人は読むと身につまされたりすると思う。そこには、自分ことが描かれているような気分になるから。