わたしは敬虔な仏教徒でも何でもないが、ダライラマさまの本がすごく好きだ。
平易なことばとやさしいまなざしで、仏教の教えに基づき、かつ時代の流れに即したはっとするほど深い真実がつづられていて、何度読み返しても新しい発見がある。
この本も、その例外ではない。
「若者に」「男女に」「同性愛者に」「政治家に」「教師に」「不安な人に」「自殺したい人に」「無宗教の人に」などなど、さまざまな年齢、職業、精神状態、宗教を持つ人に向けたメッセージを集めたもので、誰でもひとつは必ず当てはまる項目がある。
わたし自身、自分に当てはまる部分をコピーして切り抜き、手帳に入れて持ち歩くほど感銘を受けた。
ダライラマさまは、仏教を信じることを他者に強要せず、あくまで「信教の自由」という立場に立っている。
そればかりか、キリストやイスラムや、ほかの宗教を信じる人びとに深い敬意をはらい、積極的に交流しようとしている。
別のDVDを通してお姿も拝見したけれど、「この方は、たまたま人間のかたちを持ってこの世界に来てくださっただけで、本当に仏さまなのだなあ」と妙に納得したのを覚えている。
繰り返すようだけれど、わたしは目に見えないちからや死後の世界の存在を信じるが、敬虔な仏教徒ではない。
それでも、ダライラマさまの本を読むと、いま目の前にある問題なんかごくささいなことだなあと思え、本当に目指すべき方向が具体的にわかり、胸のつかえがおりてすーっと気分がよくなる。ふしぎだなあ!