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9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
学生に推薦したい本,
By サイコロ・ジスト (大阪府) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 幸せを科学する―心理学からわかったこと (単行本)
「幸せ」というキーワードを従属変数に,その独立変数を膨大な先行研究からレビューした本。院生の時,自分の分野の洋書を読んだとき欧米の心理学の層の厚さに 圧倒されましたが,まさにその当時の記憶がよみがえってきます。 質問紙研究や実験による研究は手法がオーソドックスであるために,最近出てきた 質的研究の影に隠れがちですが,このように積み上げていくことで,エビデンスが 蓄積されると思います。日本にもこのような本はありますが,まだまだ主流ではない ので,日本の心理学者はこうした本の執筆に取り組むべきであると強く思いました。
7 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
幸せを増大させるのは難しい、と分かる一冊,
By お散歩職人 "旧・お散歩くん" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 幸せを科学する―心理学からわかったこと (単行本)
前半よりも後半のほうが面白いと感じた。紹介される研究結果に意外性が乏しいのと、結果結果に対する著者の考察がやや甘いので、星三つ。とはいえ、興味を引かれる研究結果が紹介されていた。 「さまざまな人生の出来事の幸福感への影響は、最初の3カ月間に限られていること」。 「小さな子供を持つ夫婦の満足度が、同年齢で子供のいない夫婦に比べて低い」。 「女性の多くがさまざまな対人関係を自己概念の中核に置くのに対し、男性では対人関係を自己概念の中心に据える人は少なかった」などなど。 結局のところ最も興味深かったのは、本書を読むとで、「幸せを科学すること」自体の不可能性が理解できたということ。 というのは、人が「科学する」のは物事の因果関係を解明して再現性を高めるためだろうが、本書で紹介されている研究結果によれば、「何かいいことが起こった時に、その理由を考えないほうが幸福感はより長く継続する」と報告されている。ということは、意図的に再現できる出来事(理由が分かっている出来事)には人は幸せを感じにくいわけだ。だから、幸せを「科学」してしまったら、幸せは薄れることになる。 それにも関わらず、読者(自分も含め)が本書を読むのはなぜだろうか。おそらくもっと幸せが欲しいからだろう。だが、本書で紹介されている別の研究結果によれば、もっともっとと求める終わりなき欲望(著者の言葉で言えば「現状に満足しない態度」)こそが、ときとして、私たちの幸福度を下げているのだ。 そんなわけで、意図して幸せを増大させるのは、なかなか難しいということが実感できる。そう思いながら本書を閉じて、帯の文言を眺めてみたら、言い得て妙である。 幸せに興味を持つ方は、読んで損はない一冊と言えるのではないでしょうか。
5つ星のうち 4.0
粗雑な幸福度議論から脱却するために,
By
レビュー対象商品: 幸せを科学する―心理学からわかったこと (単行本)
分類すれば「心理学の学術書」ということになるのだろうが、記述内容は平易で読みやすい。「幸せ」とは何か、それを測定する方法、「幸せ」の度合いに影響を与える要因といった点について、既存の研究成果を広く紹介していく。政治や行政活動の究極的な目的は、人々をいかに「幸せ」にするかということではないか。そして社会全体として「幸せ」と感じる人を増やすことが、重要な成果指標になるのではないか。そういう意味で、人々の「幸せ」が何によって高められるのかを知ることは、意味あることと言えるだろう。 本書では、「幸せ」に影響を与えるものとして、例えば、経済状況、夫婦関係、友人関係、本人の性格など、様々な事柄を挙げる。著者が研究活動を行うアメリカでの調査結果にとどまらず、世界各国のデータが参照され、文化による違いも明らかになる。当然の事だが、「幸せ」と感じるかどうかは、その国・文化固有の事情によるところも大きいのである。 本書の最終章で著者は、「能力によって成功するチャンスもありつつ弱者にもやさしい社会。個人の自由を重視しつつも、安定した、信頼できる対人関係の基盤のある社会が、国民を幸せにする社会」なのだと言う。 このところ、幸福度について粗雑とも思える議論が散見される中、本書のようなきっちりとした本が広く読まれてほしいと思う。
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