ジョディー・フォスター主演の「幸せの1ページ」は、
1999年にベストセラーとなった児童小説「秘密の島のニム」が
原作であることを考えれば、非常によくできたファミリー向けの
ハートフルコメディとして成立している。
そして、原作の忠実な映像化であるから、
それ以上の期待をしてはいけない。
そいうことを踏まえて観ないと、
いろんなことを想像して期待はずれの駄作になってしまう。
例えば、アレックス・ローバーの出で立ちは、
インディ・ジョーンズを彷彿とするが、
そんなアクションは出てこないし、そんな謎解きもない。
また、この作品は実質ニムが主人公であり、
ジョディ・フォスターはいわば助演である。
さらに、動物たちと言葉が通じ合ったり、
動物たちがありえない手助けをするなど、
ファンタジー的要素もふんだんに盛り込まれている。
このへんはエディ・マーフィー主演の
「ドクター・ドリトル」に通じるところがある。
アシカのセルキー、ウミイグアナのフレッド、グンカンドリのガリレオの活躍が
人間並みにすごいのは物語的であり、この作品の象徴でもある。
特に、ウミイグアナのフレッドの愛嬌のある表情にはイタく感動した。
彼が空飛ぶドラゴンと称されるシーンは非常に痛快だ。
またアシカのセルキーもニムの世話役としてコミカルな演技を見せてくれる。
グンカンドリのガリレオにいたっては、父親ジャックとのやりとりも相まって、
もうありえない妙技を見せてくれる。
父親が遭難したことと、海賊船を装ったツアー団体に遭遇することは、
ニムにとっては多分大変なことなのだけれど、妙に笑えるのがよい。
ここに出てくる出演者はみんな善人だから悪さしそうもないし、
そういう意味で幸福に向かうストーリーテリングが設定されている。
このお話の肝は、ジョディー・フォスター演じるアレキサンドラ・ローバーが、
ニムを助けるために引きこもりから脱することである。
彼女にはたいした冒険譚などはついてこないけれど、
ニムを助けたい一心が彼女を動かしたことは特質すべき点である。
物語性があるとすれば実はこの部分であり、
この引きこもりの女流作家と動物と会話できる野生児ニムが対比されながら、
リンクしていくのがおもしろいのである。
ラストのネタばらしはしないけれど、ほのぼのとしたこの作品は
児童映画としてはそこそこ良作である。
でもなんで邦題を原題どおり「秘密の島のニム」にしなかったのか…
そこだけが解せない。
ジョディ・フォスター主演で売りたかったからかな?