読んでて途中でうっかり涙ぐんでしまいました。
アパレルショップが舞台の再生ストーリーですが、アパレルだけでなくさまざまな物販業でも同様なことは起きていることでしょう。仕事に対する意欲の持ち方、それぞれの役割を理解して責任を果たすことの大切さは、多くの職場でも役立つはず。
現場で働くスタッフ個人としてだけでなく、他のメンバーとともに現場を築き運営するチームとして、いかにして「幸せな売り場」をつくるか(この「売り場」は、「職場」と言い換えることもできるでしょう)。そのためのヒントが物語のなかにたくさん詰まっています。
いわゆる「ビジネス書」的なマニュアル書やノウハウ書ではないので、書かれていることを即実践すればなにかが劇的に変わる、といった内容ではありません。
しかし、具体的で個別のノウハウではない、もっとコアの部分を書いているからこそ、その意味をきちんと自分で考え、くみとりながら読むことで、より普遍的な役に立つと思います。
また、ストーリー仕立てをとっていますが、そのストーリー自体も非常によくできています。
売り場再建型のビジネス小説として、いや、軽い文体はコミックとかテレビドラマに近いかな、そういったものが好きな方にもアピールするのではないでしょうか。
舞台がアパレルで、主要登場人物もほとんどが女性のうえ、あまりにかわいらしいカバーデザインなので、男性は手に取りにくいかもしれません。
でも、そうした「見かけ」の部分で読者を狭めているかもしれないのがもったいない、いい本です。