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本書は心理学の分野に、今まで避けられ、怖れられた「悪」という概念を導入することを提唱している。この概念を導入することにより、いくつもの個人的だと思われた問題を他者との関係性で捉えなおすことができ、また、その範囲の拡大がその問題に対して新たな解決策をもたらすことを示している。
また、集団での悪がどのように生じるかをベトナム戦争を初めとする戦争犯罪を例に解説し、かつ、それが生じる根源に個人の判断・意思決定が重要な要素でありうると主張している。
前書きで著者はこの本について「危険な本」と書いているが、人と人との関係を考えるにあたって、この本に書かれた発想を持つことは非常に重要である。また、集団の悪を防止するために個人の問題を捉えるべきであるという筆者の主張は、非常に説得力がある。
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