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平成幸福論ノート 変容する社会と「安定志向の罠」 (光文社新書)
 
 

平成幸福論ノート 変容する社会と「安定志向の罠」 (光文社新書) [新書]

田中 理恵子
5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

◎ 内 容
【社会問題先進国の課題と未来を読む】
近年、日本を含め世界各国では幸福感の見直しが進められている。
国内では内閣府が新成長戦略の一環として「幸福度に関する研究会」を発足させた。
また、海外ではGNH(国民総幸福度)をはじめとした経済指標に代わる幸福度策定への関心が高まりを見せている。
反面、日本では格差や貧困などに起因する「不幸」をめぐる議論も盛んになってきている。
だが、「孤独死」に代表される孤立化への不安と、国際社会における日本の存在感低下への懸念が奇妙な相似形を描いているように見えるのはなぜか----。
ミクロとマクロの観点から、現在の日本社会が抱える問題点を整理し、来る時代の「幸福のあり方」を探る。

◎ 目 次
はじめに
第一章 日本の「幸福論」の迷走
第二章 結婚と孤独死の間に
第三章 「会社村」と「草食男子」の間に
第四章 「安定志向」がリスクに転じるとき
第五章 「昭和の鎮魂」から「つながりの再編」へ
おわりに

◎ 著者プロフィール
田中理恵子(たなかりえこ)
1970年神奈川県生まれ。詩人・社会学者。主な筆名は水無田気流。
早稲田大学大学院博士後期課程単位取得満期退学。
現在、東京工業大学世界文明センター・フェロー(非常勤講師兼研究員)、
桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部非常勤講師。
2003年、第41回現代詩手帖賞受賞。
2006年、『音速平和』(思潮社)で第11回中原中也賞受賞。
2008年、『Z境(ぜっきょう)』(思潮社)で第49回晩翠賞受賞。
他の著書に、『黒山もこもこ、抜けたら荒野』(光文社新書)、
『無頼化する女たち』(洋泉社新書y)などがある。

内容(「BOOK」データベースより)

近年、日本を含め世界各国では幸福感の見直しが進められている。国内では内閣府が新成長戦略の一環として「幸福度に関する研究会」を発足させた。また、海外ではGNH(国民総幸福度)をはじめとした経済指標に代わる幸福度策定への関心が高まりを見せている。反面、日本では格差や貧困などに起因する「不幸」をめぐる議論も盛んになってきている。だが、「孤独死」に代表される孤立化への不安と、国際社会における日本の存在感低下への懸念が奇妙な相似形を描いているように見えるのはなぜか―。ミクロとマクロの観点から、現在の日本社会が抱える問題点を整理し、来る時代の「幸福のあり方」を探る。

登録情報

  • 新書: 230ページ
  • 出版社: 光文社 (2011/3/17)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4334036112
  • ISBN-13: 978-4334036119
  • 発売日: 2011/3/17
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 2.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By あらフォーティー トップ500レビュアー
「幸福とは何か」という議論が、活発になっている。
その背景には、我が国社会の変容から生まれる「不安」がある。

この本は、多岐にわたる「不安」の原因と結果を簡潔に総括している。

自殺、孤独死の増加、未婚率の上昇が産む少子高齢化、年金の破綻。
男女共同参画社会といいながら、女性を無視してきた社会と進まない子育て支援。
団塊の世代を手厚く保護する一方で若年層の雇用機会は減少、賃金は低下し、
もはや男性一人の給与では家庭を維持できない。当然、マイカー、マイホームの購入は不可能となり、
若者は、そもそも物欲さえ失い、草食化などと言われる。
外国人を受け入れず、貿易の自由化も拒否する社会は内向きになっているが、
その一方で、「ガラパゴス化」と批判され、「リスク」を取れとか、海外で通用する人材を、
などと言う。

こうした矛盾が産む「不安」の根本には、昭和期から続く「希望」や「幸福」そのものが古くなり、
同時に再現不可能となっていることにあるという。

日本の政治は「シルバーデモクラシー」とも批判されるように、
既得権益者(イコール、高齢者と言っても良い)の保護を目的としてきたが、
その希求する「幸福」そのものを見直す時期が来ているとの指摘は、
(反発も大きいだろうが)まっとうな意見だと思う。

やや簡潔すぎるきらいはあるが、各章毎に厳選された参考文献があげられているのが良い。
相当数の文献が読み込まれ、そのエッセンスが凝縮されたすばらしい一冊。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By キタ
題名をみて、本書を読むといささか、期待はずれである。団塊世代ジュニアは保守化しており、女性は、夫の稼ぎを当てにした専業主婦を指向しているが、現実は男性の非正規雇用比率が上昇しているうえに、正社員となっても所得が下ぶれをしている状況下においては、専業主婦への道はそんなに甘くないよといっている。
専業主婦が成り立ったのは団塊世代の成長期に奇跡的に成立しただけといったことや、未来にいては女性も職を持つことが必要だと様々な社会学のアンケート、データを引用して分析している。
あわせて、社会制度として、女性も結婚、子育てをしながらも普通に働くことができる、オランダをモデルとしたワークシェアリングや、コミュニティーの再構築による雇用機会の平等や所得再分配を提唱している。

誠に大雑把であるが、本書の内容は上記のような感じである。

但し、それなりに社会学の本やデータを読んでいる人にとっては、目新しい情報もなく、分析も平凡である。
提唱内容も、オランダモデルの日本導入の適否については数年前に流行ったし、コミュニティーの再構築というテーマも現在、様々な場で議論されている。そんな中で、著者の提唱内容は淡白すぎる。

社会学に触れたことがない人が読むには分かりやすく、データも満載なので、理解し易い内容だと思うが、社会学にある程度、見聞がある人には不満が残る。

全体の内容としては実感があり共感できるので、もう少し深堀りしたの独自の視点が欲しかった。
このレビューは参考になりましたか?
2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 倒錯委員長 トップ500レビュアー
 テレビCMで「幸せってなんだっけ♪なんだっけ♪」と歌うのは明石家さんまだが、それがシャレでは収まらないほど、現代では幸福な人生のあり方が混迷している。本書は、前著『無頼化する女たち』にて80年代からの女の生き方の移り変わりを論じた著者が書く、現代ニッポンの「幸福論」だ。就業、恋愛、結婚といった事象を、社会学的に分析していく。

 本書が言いたいのは、戦後日本は「護送船団的な幸福」によって奇跡的に上手くいっていたが、不況や新自由主義の浸透でそれが瓦解した今、さぁどうすっべ?ということ。そこには規範からの解放というメリットもあった。しかし『自由からの逃走』(E.フロム)が論じたとおり、生き方の選択肢があまりに増えたことによって、かえって一番まずい「どれも選ばない」という選択肢を選択する気もなく選択している人が、増えているわけだ。

 前著のカジュアルな部分が、堅実になっている。が、その分この人固有の強い主張があるというより、状況論に終始しているというイメージは否めない。また、本書が「根本的な欺瞞をはらんでいる」といった幸福論の罠に、本書自体からめ捕られているといえる。というのも、なんだかこの本自体も漠然としていて、結局幸福について何が言いたいのかわからないのだ。

 こうした社会学の本(とくにバウマン『リキッドモダニティ』なんか)を読みなれている読者からすれば、見慣れた内容が並んでいる。この本なら、それこそ『無頼化する女たち』の方をお勧めしたい。
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