題名のとおり平成の20年間の宗教史を綴っています。
著者は著名な宗教学者ですが、その分析はさすがです。
おそらくオウムや統一協会などの新新宗教の団体について、
これほど精通している宗教学者は他にいないでしょう。
教義や活動の実態についてよく理解しているため、
書かれている中身に非常に説得力があるのです。
著者はオウム事件のときに「オウム寄りの学者」とされ、
たいへんなバッシングを受けました。
それなども、当時の社会が決して受け入れられない、冷静な
分析を行ったゆえのことだったのかもしれません。
ただ残念なのは、バッシングのときのことや、復権に至る
著者自身に関する記述がやや多い点です。
それさえ除けば、新新宗教の各教団に精通した著者の持ち味が
生かされた、良書といえるのではないでしょうか。