アマゾンの「堺屋氏・売れ行きランキング」でみても、この本は上位にランクされていないのが不思議なくらい良い本だ。
想うに2002年の刊行で、古くなったとでも言うのか。そんなことはない。
次の戌年の頃の日本の背景を、こんなにも分かりやすく、かつエキサイティングに描いている本はない。
たとえば「中山間地域で過疎化が進む、過疎になるから仕事もなくなる」の項では、全国どこでも社会資本の維持管理は問題だと指摘する。
今や(この2018年の頃)公共事業費の9割は、20世紀に造った道路や建物の維持管理費で消えている。多くの過疎地で持ちきれないとして、スーパー林道も公民館も、竹下さんからもらった一億円で作った温泉施設も、廃業にしてくれと「廃業陳情」が、霞ヶ関に続く…とある。
来るべき平成三十年(2018)には自分はいくつになるのか、息子は?娘は?と、自分自身のバックグラウンドを描いてみるに最適な本だ。
1980年刊の名著『団塊の世代』と、昨2005年刊の『団塊の世代「黄金の十年」が始まる』と併せて、「堺屋・近未来三部作」として読むことを勧めたい。