序文には次のように書かれている。
「本書の刊行は天皇陛下御在位二十年をお祝いするものでありますが、あわせて、これを契機として
歌会始に対する関心が更に高まり、今後の詠進、そして伝統文化の一層の振興につながるよう願って
やみません。」
平成20年間の皇室と国民の思いの丈が織り込まれた、比喩的に言って「一巻の歌物語」
毎年出される「お題」に従って応募される詠進歌は二万首を超える。(平成元年・2年は行われず)
平成3年「森」、4年「風」、5年「空」、6年「波」、7年「歌」、8年「苗」、9年「姿」、10
年「道」、11年「青」、12年「時」、13年「草」、14年「春」、15年「町」、16年
「幸」、17年「歩み」、19年「月」、20年「火」、21年「生」
平成3年以降の歌会始で披講された天皇陛下の御製、皇后陛下の御歌、皇族の方々のお歌、召人・選者の
歌、一般の応募歌より選ばれた選歌が収載されている。
年齢的に若い世代、特に中・高校生たちのいわゆるジュニア短歌が目立つようになってきた。
いちにちがきらきらとして生まれ来ぬ海の道ゆく父の背あかるし (平成10年「道」吉永幸子)
指先に打鍵の重さ兆しつつショパンの「革命」弾くとき迫る (平成12年「時」中尾裕彰)
青春のまつただ中に今はゐる自分といふ草育てるために (平成13年「草」後藤栄晴)
夕凪のなか走り出す僕が生む向かひの風受けまた加速する (平成21年「生」丸山翔平)
更に歌会始をよりよく知るための解説文、および歌会始の模様が一目で分かるDVDを添付した単行本。