この文庫本は、昔読んだことがある。
今回、新装版が刊行され、「二位の尼 時子」と「おわりに」が加筆修正されたので、購入した。
私は、「建礼門院」を真っ先に読んだ。次いで「二位の尼 時子」を熟読した。
平家物語の最終章、後白河法皇と建礼門院が再会し語り合う大原御幸。
著者は、平家物語の解説だけではなく、ほんとうの史実はどうだったのかと踏み込んで解説される。
これはまるでミステリーを読んでいる感触である。
果たして、著者の分析では、大原御幸は史実としては無く、平家物語の創作と結論づけされている。
また、一般的な受け取りとしては、平家物語の中で、建礼門院は、不幸なヒロインの代表とされているが、
著者は、むしろそれは二位の尼であると言われる。それだけ、加筆修正された「二位の尼 時子」は力が入っている。
壇の浦で孫の安徳天皇を抱えて海に飛び込む二位の尼へのコメントは、胸に何かがこみ上げてくるほど迫力がある。
平家物語で立派な賢者とされている平重盛が、史実では、それは疑わしいと指摘されたのも筆者であった。
物語と史実、それを対比させたながらの解説は、いつもながら、すばらしいと思う。