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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
平安宮廷の複雑な人脈,
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レビュー対象商品: 平安王朝 (岩波新書) (新書)
本書は、1948年生まれの日本中世史研究者が1996年に刊行した、32人の天皇の年代記としての平安時代宮廷政治史通史であり、平安遷都から平氏滅亡までの約400年間を扱っている。著者はその際、第一に天皇や廷臣の父系・母系の複雑な血縁・姻戚関係を追跡すること、第二にあくまでも天皇の政治的意義を重視し、天皇家内部の矛盾を軸として貴族や武家の対立を読み解こうとしていること、第三に平安王朝を、貴族を都市に集住させた都市王権として見ることを強調している。その結果、第一に摂関時代は王統迭立の下での天皇・皇太弟対立の頻発によって、院政時代は皇太子空位の常態化によって特徴づけられ、第二に平安前期の天皇親政が他の選択肢の欠如と関連づけられ、第三に多くの政変が氏族間対立としてではなく複雑な人脈を介して解釈され、その中で藤原氏・源氏・平氏の盛衰と内部対立が分析され、第四に平安宮廷文化が政治史的背景の下で再解釈される。複雑な人脈を追うのがなかなか大変で(巻末の系図の利用は必須)、社会史的説明の欠如もあり、全体的な流れがつかみにくいこと、都市王権の内実が分かりにくいこと、分析の際にやや断定が過ぎる気がすることが気になるが、平安文学の背景を知るためにはなかなか興味深い本であると思う。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
卓見,
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レビュー対象商品: 平安王朝 (岩波新書) (新書)
王家の一員にして藤原師輔の従兄の子たる満仲が、冷泉天皇(師輔外孫)擁護の立場から為平親王(同じく師輔外孫ではあるが源高明女婿)擁立阻止に動いたのが安和の変の真相であるという卓見に膝を打つ。
5つ星のうち 3.0
残念な点も少々,
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レビュー対象商品: 平安王朝 (岩波新書) (新書)
自分は院政について知りたいと思い、後半から先に読んでみました。後三条天皇親政について「摂関政治中心史観」の従来の説が不十分だとして『神皇正統記』をもとに再考察している(p158-159)のは興味深いものでした。 ところが残念な校正ミス?も目立ちます。 例えば源頼朝が後鳥羽天皇を評して「春宮の如く」としたのが白河院政の時だとしている記述(p174)。 後鳥羽天皇ですから白河院政ではなく、「後白河」時代のことです。 また、永久の変の「仁寛」(p186)。 ルビは「にんかく」となっていますが、どう読んでも「にんかん」ですし、「にんかく」という記載の書物はあるのでしょうか。 細かい点かもしれませんが新書らしくサクサク読める記述に混じっているだけに、流れが途切れてしまいました。 あとがきにあるように本書が出版されたのが阪神淡路大震災の翌年です。 平安時代研究は現在でも「珍しい分野」なのでしょうか。続編に期待したいと思います。
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