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平安京遷都〈シリーズ 日本古代史 5〉 (岩波新書)
 
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平安京遷都〈シリーズ 日本古代史 5〉 (岩波新書) [新書]

川尻 秋生
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

権力争いの結果として予期せず皇位についた桓武は、王統の革新を強調すべく二度の遷都を行った。天皇を中心とした統治システムがしだいに安定するにつれ〈イエ〉意識が誕生し、いっぽう宗教や文学など背景となる時代精神も変化してゆく。長らく〈国風文化〉の源とされてきた平安朝の実像はいかなるものだったか。

内容(「BOOK」データベースより)

権力争いの結果、予期せず皇位について桓武は、皇統の革新を強調すべく二度の遷都を行った。以後長らく日本の都として栄えることとなった平安京。その黎明期、いかなる文化が形成されたのか。天皇を中心とした統治システムの変遷や、最澄・空海による密教の興隆、また地方社会の変化にも目配りしつつ、武士誕生の時代までを描く。

登録情報

  • 新書: 256ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2011/6/22)
  • ISBN-10: 4004312752
  • ISBN-13: 978-4004312758
  • 発売日: 2011/6/22
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
日本史の中で一番穏やか(それこそ平安)で面白くない時代が平安時代というイメージに縛られ、このシリーズ日本古代史も本巻以降は読まずにいたのだが、読み始めるとなかなか奥が深いことに気づく。

本書が扱う時代を大まかに色分けすると、平安時代の幕を開く桓武朝、唐風化が極まった9世紀、日本独自の政治文化が開花する10世紀。政治の表面では皇位の承継問題と藤原氏の他氏排斥がいくつかの政変をもたらす中で、史上初の幼帝・清和天皇の即位が時代の節目だとする。藤原良房が摂政になる契機となった訳だが、幼帝でも構わない程に天皇の機関化が進んだのだ、という指摘にはなるほどと思う。

摂政・関白に限らず、10世紀の延喜・天歴の天皇親政のときでも、天皇の私的な側近を公的に認知する等、律令制が予定しない政治が中央でも地方でも行われるようになる訳だが、律令制という外国の制度が日本の風土で変質するのは当然、という視点には賛成できる。古今和歌集には天皇側近の歌集という政治的動機があるとの説示にも納得がゆく。

ウジの結束力が弱まり、イエとその家職(武士もその一つ)の起源も10世紀にある。この時代に起源がある日本的なものは平仮名だけではない。

文献・考古学資料が少ない時代であるにもかかわらず、当時の街道の立札等を使った説明等がわかりやすくて効果的だ。
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5 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By θ トップ1000レビュアー
桓武天皇による平安京遷都を中心に、唐風化や平安前期の政治の状況を上手く描いている。
平安期の「唐風化と一方での対内的には儀式整備」というのが、明治期の西欧化とリンクするというのはなるほどと思わされた。

いろいろ書いてあって面白いのだが、話の焦点がどこに絞られているのかが見えて来ない印象を受けた。
政治的話があると思えば、宗教の話、儀式の話、一般の人々の暮らし、土地開発など多岐にわたっていて、教科書ならいいが読み物としてはテーマの羅列感は否めなかった。
このシリーズがそういうものなのかもしれないが若干残念であった。
このレビューは参考になりましたか?
12 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ヒデボン VINE™ メンバー
 明治天皇は、平安時代が女々しい、なよなよした文化だとして毛嫌いしていたそうで、軍国主義者としては、まあ当時としては当然かもしれない。というようなことが「はじめに」の部分に書かれている。

 平安時代を「なくよ平安桓武天皇の794年から、いいくに造ろう鎌倉幕府の1192年」までの一時代だとすれば、約400年というけっこう長い期間である。
 桓武天皇は、民衆の人気を煽ることもあってか、水害もあってか、さらには立地上の問題もあってか、はたまた怨霊への畏れもあってか、二度も遷都を行っている。長岡京と、この平安京だ。

 一般民衆は、いまだに竪穴式住居とか、掘立柱建物に住んでおり、相変わらず歴史は天皇の皇位継承を中心に回る。天皇さんが変わるたびに、何らかの横やりが入り、謀叛がリークされたりして、これはこれでなかなか面白いミステリ物語。そのうち、皇統は父子相続、ということに落ち着くが、幼帝が生まれる要因にもなった。で、天皇はだれがなってもよくなり、「天皇機関化」の様相を呈するようになる。清和天皇の時代には、摂関政治の萌芽もみられる。
 
 そんなことより、こんなことより、より重要なことには、平将門の乱と藤原純友の乱を契機に「武士」なる階層なり、職能なりが生まれてきたということだ。
 
 ウジの形成があり、ウジの中にイエが生まれる。陰陽道などの家職が出来てくる。天皇の食器が、金属製から土器とか木製になってくる。中世以降に発展する「手形」の原型ともなる「切下文」が登場して、流通に革命を起こす…とまあ、この時代、結構その後の日本の歴史に様々な重要な影響を及ぼすプロットがまかれた時代でもあったわけだ。
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