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平和の生滅―生存の矛盾を超えて (お釈迦さまが教えたこと)
 
 

平和の生滅―生存の矛盾を超えて (お釈迦さまが教えたこと) [単行本]

アルボムッレ スマナサーラ , Alubomulle Sumanasara
5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

幸福な人は平和です。一人ひとりが幸福になるならば、世界丸ごとを平和にする道が開くのです。「個人の平和」と「人類の平和」を一緒に語る斬新なアプローチ。

内容(「MARC」データベースより)

釈尊の説かれた真理を、巧みな比喩と明晰な論理を用いて現代を生きる人々にわかりやすく伝えるシリーズ。第2巻では、「生存の矛盾」を乗り越える斬新な「人類が平和を実現するための方法」を語る。

登録情報

  • 単行本: 217ページ
  • 出版社: サンガ (2006/07)
  • ISBN-10: 4901679171
  • ISBN-13: 978-4901679176
  • 発売日: 2006/07
  • 商品の寸法: 20.8 x 14.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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待望の、個体と個体との社会関係、社会観について明快に説かれた本である。期待に違わず、お釈迦様の智慧は深ーい!
ヴィパッサナー瞑想もそうだが、今回の智慧は自分・他人の思考・行為の深い所に入って行って、あるがままに見る力を高めて
くれるだろう。恐るべし、お釈迦様の教え! ありがたや、お釈迦様の教え!
  
さて、メカニズムを知ることは、洞察力を高めてくれ、個々の状況での解決策も(いろんな切り口で)浮かびやすくなる:
  ・生命とは、外界を認識するものである、という定義から始まって、主観しか持てないこと。(p.94〜96、p.136〜143)
  ・主観と「私は正しい」の間には実はギャップがあるが、そのギャップに気づかないのが私たちである。
   そして、「私は正しい」への愛着から、憎しみが生まれる。(p.75〜85上、p.143下〜146上、p.173〜174)
  ・さらに、貪瞋痴があると、相手から奪い、相手を攻撃・破壊し、自分および相手も破壊することで争いが起きる。(p.178〜196)
  ・主観の危機管理が必要なことと、正義の見分け方・基準が語られる。
そして、「私は正しい」を乗り越えていく対話方法、および平和を広げていく「正しい慈しみ」について語られる。

この続き=「お釈迦様が教えたこと」をもっと読みたいと思った。
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“死にたくない”という動物的な心が自我を得て人間の心になると、“他に勝ちたい”とか“自分だけ生き残りたい”とか“私の考えは正しい”という野蛮人の文明を生みだした。人間には元来、「慈しみの心」はなかったのだから、争いは絶えない。(p.75〜86) 最初に「慈しみの概念」を人間に教えたのはブッダである。また、ブッダの教え方は初めから対話形式(説法)であり、それこそがブッダの神通力であった。(p.85〜87) その対話で教えた「慈しみの心」とは、人を生かす「施無威」の実践であった。(p.128) そして「施無威」の実践は、“主観は正義と対立する。”という法則を理解することから始まる。(p.136〜150) このように、徐々に平和の実現方法が示されていく。

最後に、ダンマパダ158の言葉が引用される。“先に自分自身が正しく人格を整える。それから他人にも教えてあげる。このようにする理性のある人は堕落しないのです。”(p.209) これを読んで、漢訳経典の「八法・十六法」(雑阿含経929)を思い出した。これは、正信、淨戒、布施、拝見、聽聞、受持、觀察、法次法向という八法を自らが行うだけでなく、他人にも教えて、共に成就することである。(安井廣度著『阿含経講義』のp.56では雑阿含経33・11として引用される。)これなら、確かに平和が実現しそうである。
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By 内田裕介 トップ500レビュアー
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「生存の矛盾」という惹句に興味をもって手に取った。著者のスマナサーラ師は日本在住30年になるスリランカ上座部仏教の長老である。

生存の矛盾、とは「生命は皆、生きたいと願っている。しかるにその願いをかなえるためには他の命を奪わなければならない。ゆえに生命の切なる願いは決して叶うことがない。」というものである。この矛盾に仏教はどうこたえるのか。

結論からいえば「生きることは罪だ。罪を犯さないようにするには、生命の輪廻から解脱して二度と生まれないようにしなさい。p71」がその答えである。そして輪廻からの解脱は、ひとえに個人の努力にかかっている。すなわち、五戒を守って、貪瞋痴(=欲、怒り、妄想)を遠ざけ、他の命へ慈悲の心で接することである。

とはいえ、本書は個人の修行や仏教の教理を観念論的に説いたものではない。本書全体のテーマは「人はいつもみな平和を望んでいるのに、なぜいつまでたっても世界には平和が実現しないのか」である。現実の社会の矛盾を仏教的視点からほどいていて、観念論に陥ることなくリアリティを確保している。

昨今のチベット騒乱で、仏教の平和主義についての議論が高まっているなか、タイムリーな一冊といえる。バリア論も興味深い。時事問題に興味のある方にもお勧めしたい。
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