同じ足立力也氏の著書に「丸腰国家」(扶桑社新書)がある。
内容的には、「軍隊を捨てた国コスタリカ」の紹介と
なぜ軍隊なしでやっていけるかの分析で、
このジュニア新書と方向性は同じである。
こちらはジュニア向けに書かれているぶん、やや検証が甘い気もするが
だからといって本の価値が落ちるとは思わない。
まえがきに、コスタリカの人たちのこんな声が紹介される。
「アメリカの民主主義は不完全だ。彼らの大統領は常に大勢の警備員を連れている。
コスタリカの大統領なんか、早朝にそこらへんの公園を一人でジョギングしていたり
休日には家族だけでビーチに行ったりする。
民主主義と軍隊は相容れないものだ。もし軍隊があるのなら
そこには真の民主主義はない」
もちろんこれは、そのまま額面通りには受け取れない。
さまざまな周辺事情も考慮しないと
単純にアメリカ大統領とコスタリカ大統領の比較はできない。
この本は、その「解析」を試みた本だともいえる。
コスタリカ人たちの考える「平和」というものを解析することで
世界の将来や平和について考えよう……そういうことだろう。
こういう本を「平和ボケ」とか「非現実的」と頭から否定するのはたやすい。
しかし、「待てよ……」と立ち止まって考える意味はあると思う。