このテの作品はやはりこういう古い版で
読むのが雰囲気出ますね!!
今の印刷は活字といいながら、
この頃の写植活字でなく、ワープロや
パソコン文字と基本同じなので。
この作品と「其面影」は、朝日新聞に
勤めていた時、上司から言われて嫌々
書いたと本人は語っています。
この頃もう二葉亭の心は文学から離れていたのに、
ここには文学に足を取られて転落して行く
男の情けない人生が、ユーモアまじりの
残酷さで描かれています。
太宰治の「人間失格」の元祖でもあり、
あっちより実は深刻です。
しかし両者とも、描いた人物を自分に
なぞらえていて、客観視した冷たさがない
ところが私は好きです。
二葉亭も太宰も、他人を茶化すより自分を
からかったほうがいいや、という優しさを
持っていたと思うのです。
二人とも思い切り戯作や落語に影響されてる
のも、共通してますネ。
「浮雲」から読んで投げ出す危険を冒す
より、今でも通じる考え方の、この小説
からおススメします!!