出版社/著者からの内容紹介
対米英協調主義と対中国内政不干渉を貫いた幣原喜重郎。大正デモクラシーの理想を信じた外交官の信念と悲哀とを緻密に描いた長編評伝。
『陸奥宗光とその時代』『小村寿太郎とその時代』に続く、岡崎久彦氏の連作評伝「外交官とその時代シリーズ」の第3弾である。
読者にとって幣原喜重郎は、日本国憲法改正草案要綱を発表するなど、戦後混乱期の幣原内閣首班としての印象のほうが強いかもしれない。しかし、その政治家としての活躍で特筆されるのは、外交官試験に合格した者として、初めて加藤内閣の外務大臣に就任し、英米協調・対中国内政不干渉を基調とした、いわゆる「幣原外交」を貫いた点にあるといってよいだろう。
ところが「幣原外交」は、その基調路線ゆえ、陸軍・財界・政友会などから「軟弱外交」との非難を浴びた。しかし、幣原同様、外交官を務めた著者は、そもそも非自主的、非協調的な外交など存在しないと、デモクラシーの理想を信じた幣原の信念に賛辞を贈る。
歴史の評価は数十年経てようやく冷静に評価できる。そんな真理について考えさせらる、著者渾身の長編評伝である。
内容(「BOOK」データベースより)
幣原は、大正13年、外交官試験に合格した者として初めて加藤内閣の外相に就任する。その外交姿勢は、英米協調・対中国内政不干渉を基調とした。いわゆる「幣原外交」である。しかしそれは陸軍・財界・政友会等から「軟弱外交」と非難をあび、昭和2年、幣原は退場を余儀なくされる。そもそも非自主的、非協調的な外交など存在しない。デモクラシーの理想を信じた男の信念と悲哀を描く著者渾身の評伝。