本書はそんな激動の時代といわれる幕末の歴史を動かした魅力あふれる10人について語っています。全8章ですが、2人を取り上げた章もあるからそうなるのですが、本当はもっと多くの人を取り上げたかったとおわりにで書かれています。確かに人選の難しさは他の時代とは全然違うでしょうね。
構成は、その章で取り上げた人物の年譜を1ページにまとめ、史実に従いその生きざまを筆者の語り口調の言葉をつかって魅力的に浮かび上がらせています。読みやすいですし、ですます調の文体が、筆者が関わったテレビ番組『その時歴史が動いた』を彷彿とするように感じました。幕末に関する書籍は実に多い訳で、本書の特徴と魅力は、筆者の思いや捉え方が文章にはっきりと出ている所でしょうか。松平さんの肉声が聞こえるような文でした。
筆者の松平定知氏は、NHKの東京アナウンス室勤務し、『連想ゲーム』『モーニングワイド』『NHK19時ニュース』『NHKスペシャル』『その時歴史が動いた』など数々の番組を担当した人で、有名人です。
本書の内容と取り上げた人物です。
第1章 坂本龍馬 薩長を結びつけた発想
第2章 高杉晋作 維新への扉をひらいた行動
第3章 小栗上野介 近代工業化を推し進めた信念
第4章 近藤勇と土方歳三 義に殉じた士の矜持
第5章 大村益次郎 近代的軍隊を組織した村医者の戦略
第6章 榎本武揚 国際法を駆使した交渉力
第7章 篤姫と和宮 家を救った御台所の意地
第8章 岡倉天心 東洋の美を再発見した探求心