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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
 
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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書) [新書]

井上 勝生
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

黒船来航から、明治維新へ―激しく揺れ動いた幕末・維新とはどういう時代だったのか。東アジア世界に視点をすえ、開国から西南戦争までを最新の研究成果をとりいれて描く新しい通史。従来から「屈服」したと言われてきた幕末の外交を再評価し、それが成熟した伝統社会に基づくものであることを明らかにする。維新史を書き直す意欲作。

内容(「MARC」データベースより)

激しく揺れ動いた幕末・維新とはどういう時代だったのか。東アジア世界に視点をすえ、開国から西南戦争までを最新の研究成果をとりいれて描く新しい通史。幕末の外交を再評価し、維新史を書き直す意欲作。

登録情報

  • 新書: 257ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2006/11/21)
  • ISBN-10: 4004310423
  • ISBN-13: 978-4004310426
  • 発売日: 2006/11/21
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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5つ星のうち 5.0 幕末・維新の外交は成熟した伝統社会を背景にした柔軟で現実的なものであったと再評価, 2006/12/1
By 
ib_pata - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)    (トップ1000レビュアー)   
レビュー対象商品: 幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書) (新書)
 最新の研究によって、欧米とは違った形ではあれ、近代化に必要な勤勉さを重視するモラル、規律や衛生といった文化は江戸時代に成熟していた、ということを前提に、江戸幕府の役人も十分ハードネゴシエーターであったという指摘は新鮮。幕府も決して欧米に屈服したわけでなく、関税自主権がなかったということだけをとらえて不平等条約の不備を指摘するのはあやまりで、外国商人の居留地以外での商行為を禁止したおかげで、横浜に関東各地から生糸商人がドッと押しよせるなど、内側から貿易を定着させたことで国内市場を守ったという側面も見逃してならない、と力説します。また、片務的領事裁判権の問題にしても《もし外国人に幕府の司法を適用するという事態になれば、欧米からの日本の司法に対する観賞ははるかに激烈であったことが容易に予想され》ると評価しているのもなるほどな、と(p.46)。

 痛快だったのは、ハリスがアメリカは非侵略国であり、「がさつの聞こえある」イギリスがアヘンを持ち込む心配もあるから、アヘン戦争に加担していなかったアメリカの庇護に入ったらどうかという提案に対して、幕府の勘定奉行たちはオランダ別段風説書や漢訳された洋書などをつぶさに調べ、アメリカがメキシコ戦争でカルフォルニアを掠取したことや、米国商人がトルコのアヘンを毎年、大量に運んでいることなどを指摘、老中たちに意見具申しているあたり。どこぞの政府とは大違いですな。幕府高官に大統領親書を渡すために強硬上陸してきたペリーに「国にはその国の法これあり」と応じて拒否した地元の与力も見事に近代的な応対ぶりですよね。
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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 プラグマティックな江戸幕府の外交, 2007/3/25
レビュー対象商品: 幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書) (新書)
幕末・維新史を再構築した本です。

従来、不平等条約を結ぶなどした幕府の対応は批判されてきました。

しかし、本書では幕府が列強との交渉で実は現実的な判断をしてきたことを実証しています。

例えば、幕府は条約中に外国人が日本国内で自由に通行するのを制限することを載せました。

これによって、輸入製品が国内商品を駆逐するのを阻止することになりました。

このように、筆者は幕府の対応を現実的であると考えています。

それに対して、朝廷、長州藩などは非現実的な攘夷を信じ、矮小な排他的ナショナリズムの元凶としています。

さらに旧習を否定した明治政府による民衆統治は江戸幕府よりも手厳しかったとしています。

このように筆者は幕府を多少「美化」していると言えなくもありません。

しかし、今まで「後進的」と見られていた明治以前の社会システムを肯定的にとらえようとした点は評価できます。
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37 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 問題意識は高く、常識に挑戦, 2007/3/13
レビュー対象商品: 幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書) (新書)
「突然の黒船来航、あたふたする幕閣、超然とする朝廷、むきになって弾圧を進める井伊直弼、開明的な薩長、開国によってしか開けなかった閉鎖的な封建社会、まだ近代的だといえる明治政府」という、どことなく皆が抱いているこの時代のイメージに疑問を投げかけるものである。もちろん、それを快く思うか不快かは別であるが、後は証明ができているかの問題である。新書という制約から、多少急いでいる印象もないではないが、本書が覆そうとしている通説的結論については、通説の側から反論が必要になっていると思える。その意味で評価したい。

賛否はともかく、一読の上、日本近代の曙について再考してみる価値はある。要するに、明治政府による近代化を考えることであり、江戸時代が果たして暗く絶望的な時代だったかを考え直すことでもある。本書に従えば、江戸幕府の外交は極めて水準の高いものであって、日本は当時すでに成熟した経済社会になっており、初期資本主義段階であった(江戸時代は、それにより別の形で解消したかもしれない)し、維新政府の一揆弾圧は過酷なものであった。何よりも、孝明天皇の物事を知らないぶりは凄まじい。気がつくと、彼の妄想に振り回されて明治維新は始まるのかもしれないし、現在まで続く(安倍首相まで)右翼的な発想は、この時期に彼と彼の取り巻きによって作られた(決して伝統ではない)のかもしれない、ということまで考えさせられる。勝利した明治政府・薩長有司に都合のいい歴史から一度離れたら明治維新はどう見えるのかを、一度試すとよいのではないか。
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