私、『週刊新潮』の連載は読んでいませんが、この新書シリーズはヒマなときにポツリポツリ読んでいます。当時の世相、人々のものの考え方までリアルに描き出されていて、ほとんど小説のように楽しめます。
時々、ドキッとさせる箴言となる句が掲げられていて、「その二十八 山吹は死の香り」の出だし、「金で動かせない人間はいない」という1行なんか、私は考え込んでしまいましたよ、「確かに、額によるよな……」と。
内容は、他のレビューに書かれている通りです。水野忠邦については、「そういう野心家だったのか〜」と勉強になりました。
阿部正弘については、かつては幕末の激動に適切に対応できず、なまじ外様や天皇の意見に耳を傾けようとしたために幕政の混迷を招く人物と考えていました。しかしみなもと太郎『
風雲児たち(幕末編)』は阿部に同情的と言うか、好意的で、私は認識を改めたのでした。
ところが……この本ではやっぱり阿部はあんまり褒められた人物には描かれていませんね。ま、徳川斉昭については、野口の評価もみなもと太郎の描き方も、あんまり差がない印象ですけど。でも、江川太郎左衛門はどちらでもクール!
NHK大河ドラマが『幕末バトル・ロワイヤル』とか『風雲児たち』とかやってくれたら、絶対欠かさず観るんだけど……