講談社刊「帽子男は眠れない」「帽子男の子守唄」から編集された一冊で、
当時は不定期掲載されていたこともあり、寡作ゆえに「○○するか、ヒマだからな!」と
いうのがうえけんさんの自虐的常套句になっていましたが、実際には紙面狭しとみっちり
描き込まれています(しかも、本筋とは関係ない映画のポスターや、マグリットやボッスの絵、
偉人の肖像、妖怪画を描く筆致!)
作品は、謎の追っ手から逃亡を続ける無国籍ハードボイルド “帽子男”の終わりない闘争を
描いていますが、「謎の幼稚園」に戦慄したり、お子様ランチが食べたかったり、小林多喜二の
代表作が「蟹光線」だったりと、全身全霊を込めてしょうもない世界が展開しています。
一つ苦言を呈するならば、別作品「ひまあり」のエピソード、『帽子男・海外編』を併載して
欲しかったです。
「お腹はすいてもるか」「ぺこぺこのす」
「それ、すしでも食べに行くましょう」「ヒマだすよけ!」
評価が☆4なのは、爆笑を誘うというよりはむしろ「ニヤニヤさせられる」作品なので。