この字典は、角川書店から出版された同名の字典の復刊である。
楷書・行書・草書・隷書・篆書をそれぞれ一例ずつ掲載し、古碑法帖にない場合は新たに書写して掲載している。コンパクトでありながら、日常生活で使用するには十分と言える内容になっている。
また、ふだん目にする活字体と、いわゆる書写体の違いを具体的に説明してくれているのもありがたい。たとえば、よく人名などで「崎」の右上の部分を「大」ではなく「立」に書く場合があるが、「奇」の項を参照すると、伝統的には漢代以来「立」と書く方が一般的であることが分かる。正に目から鱗が落ちる思いである。
さらに、付録の「書体の変遷」では、各時代の書体の変遷が簡潔にまとめられている。書を志す者のみならず、一般の方にも大いに参考になる内容となっている。