私は数学者が行う微分方程式論の講義(定義・定理・証明・…というあれ)が昔から性にあわなくて、物理屋さんの書いたような物理数学系の微分方程式の本をわりとよく買っています。この本は、書店の片隅で見つけたあまり売れていないような本なのですが、その中でも結構内容の充実した”隠れた名著”といっていいんではないかと思います。
『マッカーリ・サイモン物理化学』のマッカーリさん(なぜか”マックォーリ”という表記になっていますが…出版社が違うからか)が書いただけあって、数学プロパーの身でない私にもとっつきやすい、振り子、回路、人口動態といった具体例が多く盛り込まれています。そうでありながら、ルジャンドル方程式、ベッセル方程式、スツルム・リウビル問題、フーリエ解析まで一冊でカバーしてくれているのは、安心感があります。
朝永量子力学や砂川電磁気学といった泣く子も黙る定本系の”名著”とは毛色が違うのですが、こういうレベルの本がもう少し読まれてもいいと思うので、希望も込めて星5つとさせていただきます。